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2006/06/04
劇団ズーズーC【嗚呼、トイレ殺人事件】報告その2
全10話(10ヶ月)完結の公演をスタートし7ヶ月が経過。いよいよ佳境を迎え見逃せない!
以前告知した、10ケ月かけて全10話を演じるという過酷なスケジュールを展開中の劇団ズーズーC。先月でようやく第7話まで到達した。残すところあと3ヵ月、というところで経過報告をしたいと思う。結論からいえば、依然、頑張っている。10話完結の連ドラを意識した構成は、面白くなくなった時点で足を運ばなくなるのがオチだが、私が見る限り客足は落ちていない。劇場のトイレを主な舞台にした狭い空間の中での、ほぼリアルタイムな時間の進行。5話が終わった時点で、おそらく6時間程度しか経っていなかった。
オメオリケイジさん(作・演出)の手法は、途切れることない台詞によって喜劇を演出するもの。身体の振り付けに頼らず、ひたすら台詞と表情で観客を引っぱっていく。いかにして次の回を見たくさせるのか、そこに挑戦し、次第に笑いのツボをモノにしつつあるように思う。
さてストーリー。15年前の未解決事件で殺人容疑をかけられた田中良男が、自分の事件をもとにした芝居が上演されたことに起因する。事実が演じられていないことを目にした田中は劇場を訪れて公演シナリオの変更を要求、強引にトイレで出演者を人質にとり、田中の被害者である青年を演じた彼に演技指導をほどこす。更にひょんなことで役者2人が人質に加わり、トイレは前代未聞の強制稽古場と化す。劇作家である田中の演出に魅了された人質3人は、芝居に過度な情熱を持つ田中に魅了され…次第に田中ワールドにどっぷり浸かってゆく。そこへ籠城を知った警察がかけつけ田中はついに逮捕されてしまう。
前回(第7話)は、15年前に一部始終を見ていたという目撃者が登場し、いよいよ佳境を迎えるのかと思ったが、取り調べ室で田中が演劇理論を語り、刑事や目撃者や役者に稽古をつける展開に。ハチャメチャな内容なのに、熱演のあまり見入ってしまい、観客席はけっこう沸いている。
ひとつ気がかりなこと。全10話完結の芝居を途中回から見ても意味が分かるものなのか? 入場時に配布されるチラシにはこれまでのあらすじが記してあり、芝居は前回の場面のナレーションからスタートするが…。間違いなくいえるのは「1話だけでも面白かった」といわれるよう、これでもか!というくらい声を張り上げ、個性がぶつかり合う喜劇に仕上がっていることだ。気がつけば、役者たちの演技に知らずに引き込まれている自分がいる。残すところあと3回となってしまったが、ぜひお試しあれ!
■劇団ズーズーC「嗚呼、トイレ殺人事件」
全公演日程:2005年11月〜2006年8月
第1話「ああ、田中良男」
2005年11月11日(金)〜20日(日)
第2話「ああ、開演…、トイレ殺人事件」
2005年12月3日(土)〜25日(日)
第3話「ああ、犯罪は繰り返される」
2006年1月7日(土)〜29日(日)
第4話「嗚呼、人質猛稽古」
2006年2月4日(土)〜26日(日)
第5話「嗚呼、人質審査員」
2006年3月4日(土)〜26日(日)の土日
第6話「悶絶、台本形式の供述書」
2006年4月1日(土)〜30日(日)の土日
第7話「切り札登場、全てを見た占い師」
2006年5月6日(土)〜28日(日)の土日と最終週の木金
・・・ここまで終了・・・
第8話「脱走、台本と義理人情の刹那に」
2006年6月3日(土)〜25日(日)の土日と最終週の木金
第9話「凶行、鬼の配役」
2006年7月1日(土)〜30日(日)の土日と最終週の木金
第10話「作、殺人者田中良男」
2006年8月5日(土)〜27日(日)の土日と最終週の木金
各日19:00〜(開場は18:30〜)
これまでの出演:オメオリケイジ、キッチン、いしづか陽子
萩坂佳寿、石森典子、浜野隆之、はた智晴、シモダアヤコ、柳緒斗絵
前売り2000円、当日2300円
秋葉原ズーズーC劇場
東京都台東区台東1-25-16-101
090-9100-2307
[email protected]
遊覧アーカイブ
オメオリケイジ
words:斉藤博美
2006-06-04 at 05:08 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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