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2011/05/15
松本秋則展 Sound Scenes
音と緑と浮遊感
会場に入って一番最初に目がいったのは、失礼ながら多数並んだ作品ではなく、その奥に見えた窓の外の緑だった。そこからUターンするように視線を走らせる。無数のモビールや飛行機のような形のオブジェが吊り下がっている。床置きの作品もある。それらは四角い緑と共存してすがすがしい空気を部屋に充満させている。六本木に緑がこんなにあるんだ!という驚きと、時おり動いて鳴り出す楽器の素朴な音色がなんとも気持ちをなごませる。
松本さんは、主に竹を使ってユニークな作品を制作発表している。音が鳴るのは、個々にモーターで数分単位に制御しているからだそうで、ソロ演奏が始まったり、複数でハーモニーを奏でたりする。その設計たるや、かなり緻密なものと思っていたが、わりと簡単な仕組みのようだ。
繊細な音を奏でる作品
天井から吊り下がった多数のモビールも設計図なく竹ひごを組み合わせてつくったという。あくまで手まかせの作業で、その都度出てきた造形を楽しんでいるかのよう。自ら面白がることも、創作の大切なモチベーション。自分が感じたことを他の人にも見せてあげたい、見てもらいたい気持ちもと同様、美の創出に繋がるのだ。
ベランダに設置された風で動く作品を眺め、思い切り深呼吸。カラカラという音がまた鳴り出した。
ストライプハウスギャラリー
2011年5月7日(土)〜5月16日(月)日曜休廊
11:00〜18:30 入場無料 TEL 03-3405-8108
東京都港区六本木5-10-33-3F
words:斉藤博美
2011-05-15 at 01:04 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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