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2006/03/07

ひげ太夫・大阪公演【南獣トウゲ】

「観客も徒労必至! 身体を張った出し物芸」

Hige01_1【南獣トウゲ】チラシ

 ささっ!寄ってらっしゃい見てらっしゃい! ヒゲをつけた女体がめまぐるしく動き回る出し物芸だよ! そんな活きいい役者集団が「ひげ太夫」。座長の吉村やよひさん率いる女ばかりのこの劇団は、大道具、小道具、音響はほとんど使わず、身ひとつで全てを表現する。ヒゲを描き、マユを太くし、りりしい面立ちで独創的な組体操を繰り広げる女達の熱い芝居に、ファンが急上昇。これまで東京でしか見られなかったが、ついに初の大阪公演が開催されることになった。めちゃベタな芝居は必ず関西人の心にも響くはず…。

Hige02こんな舞台!

 2月初旬、都内ですでに上演された【南獣トウゲ】は、記念すべき20回公演となっている。私がひげ太夫を見始めたのは2000年からで、既に半数以上の公演を見てきたことになる。なぜハマったのか。それは、ほかにはない異色な演出に魅かれたからだ。もともと舞台で演じられるのは絵空事。ならば日常を逸脱した超空間に変えてしまおう。という方向を向いている。
 時代設定はおそらく昔、場所は地球上のどこか、主人公は決まって修行を積んだ特殊能力のある人物。そんな彼が様々な窮地に立たされ、世のため人のため悪者に立ち向かって行く…と、モロに勧善懲悪の王道をいく内容だが、この単純なストーリーを6~8人の出し物師が、山になり、風になり、建物になり、屋台になって壮大な展開に盛り上げていく。
 初めて見る人は、演じられているものが何なのか、最初は分かりにくいかもしれない。けれど開演15分もすれば自然に引き込まれ、目が釘付けになっているはずだ。2時間ものあいだ、動きっぱなしの舞台。ひとりが何役も演じるのは当たり前。次々に繰り広げられる複雑な組体操の段取りを、よくぞここまでこなせるものだと感心してしまう。そのめまぐるしい芝居を見ているだけで、こちらの体力消耗は必然。ラストはNG集で幕引き。拍手の嵐。お見事!


■ひげ太夫・大阪公演【南獣トウゲ】
ひげ太夫
会場:一心寺シアター倶楽
2006年3月11日(土)~12日(日)
11日:14:00~/19:00~
12日:15:00~
開場は開演の30分前から
料金:前売り3000円、当日3300円
電子チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、劇団へ直接

words:斉藤博美

遊覧アーカイブ
吉村やよひ

2006-03-07 at 06:10 午後 in 展覧会・イベント情報 | Permalink

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