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2005/02/25
K.K. 反転映像計画 後半展示
「なぜ立てこもる? なぜ全裸? なぜ燃やす?」
左:展示風景(山本現代)
右:リアルタイムで映し出されているジオラマ
作家(自称K.K.)が暗室状態のギャラリーに、まる一日全裸で立てこもり、その一部始終をビデオに収めたという。視覚をはじめ身体性すら麻痺しかけているであろう24時間後、あらかじめセッティングした作品「反転映像計画」を燃やし始めた。それは新聞を広げるサラリーマン人形を前後5列に配置したものである。前方から順に燃え尽きるまで約15分…
ギャラリーには3つのモニターがあり、ひとつは24時間余におよぶ録画が上映されている。作家がこもること24時間が経過した頃、突如暗闇に灯りが点され、裸の作家がサラリーマン人形に火を付け始める。そのプロセスはどことなく宗教的な行為を眺めている感じがした。左右に隣り合うモニターのうち右側は、セットが燃える様子をクローズアップして映したもの。炎の中に浮かびあがる人型シルエットがせつない。左側は、人形が焼尽した灰をコンクリートで固めてつくった小さなジオラマをリアルタイムで映した映像である。そこにもホームで新聞を広げるサラリーマンの姿がある。
過去の映像と現在の映像の対比。説明を受けなければ両者の関係と時間差を感じとることはできないだろう。人形は左右のモニターにほぼ同サイズで映し出されているが、実はカメラの位置決めがかなり大変だったと聞く。炎に包まれ朽ちてもまだ後ろに現れるサラリーマンの群像から「意図を読む」ことすらステレオタイプにちがいないが、「反転映像計画」とタイトルされたこの一連の作品のコンセプトは容易にはつかみきれないようだ。
彼は「ワラッテイイトモ、」という、周知の人気番組を編集して、ひとつの映像作品をつくりあげている。同作はコンクールで受賞したものの、著作権にかかわる内容とのことで公に上映することができないでいる。引用と恣意的編集によって全く別のモノ(コメディに近い)に仕上がった作品をどう見るか。面白さは保証する。
K.K. 反転映像計画 後半展示
山本現代
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
2005年2月22日(火)~3月5日(土)
日月休
11:00~19:00
無料
TEL 03-5225-3669
◎「ワラッテイイトモ、」上映会
3月4・5日 各日17時~
words:斉藤博美
2005-02-25 at 12:34 午前 in 展覧会レポート | Permalink
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