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2004/12/05
セカイノミカタ04 山極満博展“commonplace”
「キモチのムケカタ」
■白い床と壁にスカイブルーがアクセントになった部屋。大小さまざまなサイズの絵や立体がアトランダムに並んでいる。いずれも試行の末、あるべき場所に設置されたのだろうと思うが、どこかで緊迫感とくずしのバランスをとっている意図がうかがえつつも、身近にひとつ欲しい、頭の中が一服できる空間だと思った。
■ひとりで高速道路を走ることがわりとある。もちろん目的地に向かって運転しているのだが、直線の多い単調な道にもかかわらず、時々このままずっと降りずに行ってしまおうかという逃避願望がちらつくことがある。車がまばらな高速道路を上空や真横から眺望した山極満博さんの作品は、行く先の見えない過程の表現なのだという。
■点在する小さな平面や、壁に立て掛けてある一番大きな絵。床にはミニチュアのお家が大集合。方向はてんでばらばらだが、集積としては全体で円形になっている。隣には既製品らしき円形椅子。発注ものだそうだが、作品でありながら座ってもいいそう。視線を上下に動かしながらひとつひとつを見ていく。山極さんの配置法は、絵の高さを統一して展示する作家の目には不思議に映るという。
■「見る人は作品とどんな接点を見つけてくれてもいいんですよ。」スカイブルーのインナーが目をひく山極さんが語った。自分の置かれている社会や環境のみならず頭の中まで混沌としがちな今日、先が見えないことを不安に思うか否かによって、気持ちも変わっていくにちがいない……年内中に模様替えをしようと心に決めたのだった。
セカイノミカタ04 山極満博展“commonplace”
ギャラリー覚
東京都中央区銀座2-8-17 中川ビル3F
(銀座ITO-YA2隣)
2004年11月29日(月)~12月11日(土)
12:00~20:00(最終日は17時まで)
日休
無料
TEL 03-5524-5222
words:斉藤博美
2004-12-05 at 04:17 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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