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2004/01/05
富士山景クラシック[伝統の創造]
「初打ち」
寺久保文宣「本栖湖」(左)「湖と富士」(中)「湖に浮かびし富士」(右)
■ゴルフボールに富士山の絵が描かれた、もの言いたげなDM。10年前、居酒屋にかつての同級生たちが集い、ひょんなことで立ち上がった企画がフジサンケイクラシック。富士山を目の前に据えて表現するという主旨で開催されたらしい。絵描きだけでなく立体の作家もいたが、モノを見て描くという原点に立ち戻りたかったそうである。そして10年後、再びこの企画が蘇った。
■景山健、斎藤裕之、酒巻洋一、佐藤孝志、寺久保文宣、長橋秀樹、藤井功。7名の出品作家が富士山をテーマに作品を発表している。スタンダードなタブローの富士もあれば、巣箱を覗いて見つかる富士、1888本の割り箸で組まれた富士(割り箸は二つに割れて3776本に)、浴室にアクリルで描かれた富士、古びて汚れた窓越しに見える虹(窓越しに見える虹は富士にかかっているもの?)、積雪富士を十字架型に描いたもの等々、、富士攻めに遭う。
■「富士」で括られた絵画、写真、立体、彫刻と多様な展示。普段のテーマとはもちろん違うし、でもやらねばならないという宿題に近い状況を科せられて、思いきりハメをはずした作家もいたにちがいない。画壇洋画と現代美術の併設は、もと同級生というつながりでなければ並ばないラインナップだろう。この違和感も狙ったものか?
■富士山のイメージには、多かれ少なかれ他者とダブる部分がある。通底しているのは、この国のゆるぎなき象徴がくっきりと見えた時、崇拝にも似た気持ちで眺めてしまうことだろう。そんな富士をサカナに酒を酌み交わし、ゴール目指してホールを回ってきた7人。やっている側が楽しんでいる様子が伝わってくる。
富士山景クラシック[伝統の創造]展
2004年1月5日(月)~1月10日(土)
GALERIE SOL
東京都中央区銀座6-10-10 第2蒲田ビル地下1階
(営団地下鉄「銀座」駅下車、A3出口より徒歩3分)
11:00~19:00(最終日は~17:00)
日休
入場無料
TEL.03-5537-6960
景山健
「HERE-UPON ここにおいて 富士山」
藤井功
「オコサマランチ」(左)「ヨクシツ」(右)
斎藤裕之
「富士山No.1」(左)「富士山No.2」(右)
長橋秀樹「富士山」
酒巻洋一
「富士山の家」(左)「巣箱より富士」(右)
2004-01-05 at 04:31 午後 | Permalink
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