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2003/12/01

竹之内聖司展

「めくるめくラクガキ」


art194_04_1会場風景


■線だけで描かれた簡単な図形を見て、何に見えるかな?というゲームをしたり、単純な図形に新たに線を描き足して、違う形に作り替える遊びを昔よくやった。名前こそ知らなかったのだが、竹之内聖司さんの個展を訪れて、その遊びの事をドルードル(DROODLE)というのだと教えてもらった。DROODLEは、展覧会のタイトル「DROLL DOODLE」の、おどけた(DROLL)、という言葉と、ラクガキ(DOODLE)を合わせた造語なのだそう。

■会場には鮮やかな色づかいで描かれたものや、錯視の遊びの要素をもつ作品が展示されていて、ぱっと見ただけでも明るい雰囲気が伝わってくる。ふたりの人物がキスしているようにも見えるし、ひとつの顔になっているようにも見える絵や、図と地の反転によって見え方が変わる白と黒の図形はきっと誰もが見たことがあるだろう。「DAIALOG」 や「CHINESE ASTROLOGY」はまさにそれだ。

■平面作品はどれもアクリルで描かれたもの。もともと版画を学んでいた竹之内さんは、その制作過程で図と地の関係を意識する事が多かったのだという。眺めていると自然に、描かれたひとつひとつの図形や色の関係に目が向く。エッシャーの絵が好きというのも納得だ。

■展示されたタブローの図形がリズミカルに動きだし展開するアニメーションも面白い。竹之内さんはアニメーションを作るにあたって、初期のファミコンのゲームのような動きにこだわったそうで、パラパラ漫画を見るように元々のイメージがたどりやすい。平面作品での「CHINESE ASTROLOGY」は、「ルビンの盃」のような図と地の錯視効果が面白いが、アニメでは、太鼓のようなドン、ドン、という音に合わせ、白い画面に黒い丸が出現し、干支の動物達や、子、丑、虎、といった文字が交互に現れる。「TEARFUL VOICE」には、鳴き声と一緒に、白い紙を切り取って作った切り紙作品のようなかわいらしいカエルや牛が登場する。

■棒が一本あったとさ、お皿かな、お皿じゃないよ、葉っぱだよ...という絵描き歌はよくできていると思う。形や頭に浮かぶイメージがリズム良くころころと変わり、一本の棒から「かわいいコックさん」になっていく過程は何度やっても楽しかった。遊び心いっぱいの世界が繰り広げられる空間は、その絵描き歌と似ていてなんだかワクワクする。子どもだったらとても新鮮な体験ができるかもしれない。

竹之内聖司展 DROLL DOODLE
2003年12月1日(月)〜12月13日(土)
GALLERY wks.
大阪市北区西天満3-14-26中ノ島ロイヤルハイツ1103
(地下鉄南森町より徒歩8分、地下鉄・京阪淀屋橋駅より徒歩9分 梅田より徒歩15分)
11:00〜19:00(土曜日は17:00まで)
日・祝休
入場無料
TEL.06-6363-2206

art194_04_2「DAIALOG」


art194_04_3「CHINESE ASTROLOGY」


art194_04_4アニメーション「DROLL DOODLE」
画面に映っているのはタブロー「SNEAKERS」のパズルのような断片。


art194_04_5「SNEAKERS」


art194_04_6「MOOSTER」


2003-12-01 at 12:02 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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投稿情報: mdpfth adjfwiz | 2008/09/30 7:11:03