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2003/11/01
メディア・ソケッツ~多層なる創造圏展
「メディアが余白を埋めてゆく」
中居伊織作品
カフェの内部で、音で街の様子を体験する人々
■山口情報芸術センター(YCAM)が11月1日開館した。オープンを記念して、様々な催しが行なわれている。岩崎マミ、exonemo(エキソニモ)、中居伊織、堀家敬嗣、ウォルフガング・ミュンヒ+古川聖、るさんちまんの7組が参加する「メディア・ソケッツ」展もその一つだ。同センターのスタジオ、カフェ、廊下など各所を用いて作品を展示しているので、どこを歩いていても作品と出合う。
■岩崎マミの作品は何の変哲もない日常を撮った風景写真のように見える。が、隣接して展示した写真をつぶさに見てゆくと、それらの関係に気づく。たとえば、海岸の岩場に鳥居が写っている写真の隣には、ベッドの写真があり、その一部分がモスクの尖塔のようなカタチであることに気づく。次にスポーツというキーワードで関係をづけられるものが隣に並んでいたり、と写真のなかに隠れた日常の隙間を楽しむことができる。
■中居伊織は、溝をつけた部分を専用の器材でなぞってゆくと、街の風景が音で現れて来る作品と、異なる場所にいる人々が同じ時間に聞いた音が再現されるサウンドインスタレーションを展示。堀家敬嗣は小津安二郎の映画を再編集した作品を出品。
■なかでも子供にも大人にも大人気だったのが、ウォルフガング・ミュンヒ+古川聖の作品。投影された映像の前に立つと、同時にその姿がとらえられてインタラクティブな反応が体験できる。映像として浮かぶシャボン玉を影になった自分の手で触れたり、飛ばしたりもでき、さながら運動場のように映像のシャボン玉を追いかけてみんな大はしゃぎだった。
■映像インスタレーションを出品していたexonemoやるさんちまんは、廊下の行き止まりのような場所や階段の下など、およそ展示空間とは思わないようなスペースに作品を
もぐり込ませている。この企画はYCAM InterLabによるもので、ここでは今後、展覧会や研究会やワークショップなど実践的な展開を通して、さらに開発研究、蓄積ほかも行なわれてゆく予定だ。
■「メディア・ソケッツ」展とは別にラファエル・ロサノ=ヘメル「アモーダル・サスペンション―飛びかう光のメッセージ」(11月1~24日)もYCAMでは行なわれている。携帯電話やコンピュータを通してwww.amodal.netへ送信されたメール(メッセージ)が、サーチライトの光に変換されて山口の夜空を光が照らし出している。
山口情報芸術センター/YCAM InterLab開館展
「メディア・ソケッツ~多層なる創造圏」
2003年11月1日(土)~12月28日(日)
山口情報芸術センター館内各所
山口県山口市中園町7-7
(JR山口駅より徒歩15分)
10:00~22:00
火曜休館
入場無料
TEL 083-901-2222
岩崎マミ「Ladder」インスタレーション風景
岩崎マミ「Ladder」
ウォルフガング・ミュンヒ+古川聖
「Bubbles(バブルズ)」
ウォルフガング・ミュンヒ+古川聖
「OBAKE(オバケ)」
堀家敬嗣「OZU style」
ラファエル・ロサノ=ヘメル
「アモーダル・サスペンション―飛びかう光のメッセージ」
2003-11-01 at 12:22 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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