« Vol.51 森野晋次(Shinji Morino) | メイン | 野村嘉代・おのさやか 展 »
2003/10/11
タイガース優勝記念展'03-逆から読めばARTはTRA-
「トラキチによるディープな表現」
豊崎観自
「危険超人シマシマン〜『タイガーサイン』」
■日本シリーズ第1戦はどちらが勝ってもおかしくない展開だった。結局、9回裏ダイエーホークスがサヨナラ勝ちを決めた。熱狂的巨人ファンの私は悔しいけれどセ・リーグの覇者である阪神を応援している。翌日の第2戦も落として窮地に追い込まれたタイガースであるが、甲子園に行けば流れが変わる可能性は充分ある。あそこには魔物が棲んでいる(と私は思っている)。案の定、ホームグラウンドへ戻ってからの阪神は2戦連続逆転勝ちをおさめたのである。
■日本シリーズ第1戦はどちらが勝ってもおかしくない展開だった。結局、9回裏ダイエーホークスがサヨナラ勝ちを決めた。熱狂的巨人ファンの私は悔しいけれどセ・リーグの覇者である阪神を応援している。翌日の第2戦も落として窮地に追い込まれたタイガースであるが、甲子園に行けば流れが変わる可能性は充分ある。あそこには魔物が棲んでいる(と私は思っている)。案の定、ホームグラウンドへ戻ってからの阪神は2戦連続逆転勝ちをおさめたのである。
■スポーツ紙をパロディったDM「タイガース優勝記念展」を入手してから、ぜひ行かねばと思っていた。ディレクターも出品作家も全てタイガースファンというオーダー。ロダンの「考える人」もどきが色とりどりのバルーンを膨らましている妙な写真と「逆から読めばARTはTRA」という強引なキャッチがあまりにベタでそそられる。
■国道沿いの静かな町で展覧会は開かれていた。外から強烈な黄色と黒の人影が見える。「危険超人シマシマン」(豊崎観自作)という人々に危険を知らせるパフォーマンサーのコスチュームがこちらを見張っている。井上仁行さんの「白星ダイヤグラム」は140個の電光作品。なんとシーズン全140試合の勝利数だけ点灯しているのだ。87個の輝きはさすがにまぶしすぎる。
■パルコキノシタさんは「屏風のトラを捕まえよ」という一休さんの有名なエピソードに想を得て、トラを絵から出してしまった。逆に一休さんは絵の中に…。広辞苑ならぬ「甲子園」(藤原靖子著)の本型ボックスにはトラグッズがギッシリ。中村ケンゴさんの作品は一見トラ模様の集積の抽象絵画。目を凝らすとそこに何かが見えてくる。
■「あの瞬間をもう一度」と、トラファンなら何度でも見たい優勝の瞬間に、遊び心を加えて手動8ミリ映像で見せる2人組モンノカヅエ+ナガタタケシ。中埜幹夫さんは阪神絡みのニュースネタをポップに描いた絵画を、淺田創さんは何気ない日常のトラキチを写した写真、ジャスト7kgの虎の鉄製彫刻を計りに乗せて展示したタムラサトルさんと、全10作家が発表。このチームを率いるのはいかにも阪神キャップが似合いそうな新川貴詩監督だ。
■そうそう。井上さんのもうひとつの出品作「無期限タイムカプセル T-03」は自分宛に手紙を書く参加型作品。タイガース優勝の感想やそれぞれの想いをしたためて封印し、それを作家が預かり、次に阪神がリーグ優勝を果たした時に投函してくれるシステム。費用は100円なり。その時が20年後になるのかもっと近いのか予測不能だが、それが面白くて書いてしまった。会場には飲料をはじめトラ&アートグッズも豊富に並んでいるので、まぁゆっくりしていってや。
タイガース優勝記念展'03
-逆から読めばARTはTRA-
2003年10月11日(土)〜11月3日(月)
studio BIG ART
神奈川県横浜市神奈川区神奈川2-10-17 ADビル1階
(R「東神奈川」駅東口より徒歩7分、京浜急行線「仲木戸」駅より徒歩6分、東急東横線「東白楽」駅より徒歩12分)
13:00〜19:00
金休
入場500円
TEL.045-450-5041
井上仁行「白星ダイヤグラム」
パルコキノシタ「捕まえられないトラ」
藤原靖子「甲子園」
中村ケンゴ「TATEJIMA」
モンノカヅエ+ナガタタケシ
「あの瞬間をもう一度
会場風景
2003-10-11 at 09:14 午後 in 展覧会レポート | Permalink
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a014e885bb6e5970d01538ef4031d970b
Listed below are links to weblogs that reference タイガース優勝記念展'03-逆から読めばARTはTRA-: