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2003/09/29

角文平展

「進む高層ビルの行方」


art190_02_1「灰色の城」560×120×180cm


■鉄のステゴザウルスが地下室のギャラリーに居座っていた。頭部はどっち?ずいぶんデフォルメされている。それにしてもゴツい。メカゴジラならぬメカステゴという感じだ。

■遠目には恐竜に見えたシルエットが、近づくいてみるとビルの構造物に見えてきた。更に足下にはキャタピラが付いている。動く連結ビルということか。いかにも地面を這いまわりそうだが、鉄の溶接であり車輪は実際には回らない。

■この作者は角文平さん。初めて上京した時に高層ビル群を見て圧倒されたという。鉄骨の組まれた工事現場が次々にビルに生まれ変わっていく都市の景観に想うところがあり、その変容をキャタピラ付きの連結ビルで表現したそうである。タイトルは「灰色の城」。

■逆に都市から田舎へ戻った時にも刺激を受けると語る。素朴な風景にインスピレーションを受け、和室で鯉のぼりが舞うインスタレーションを展開するなど温もりある作品も発表している。硬軟な2面性が面白いなと思った。

■ところで、都市のはしくれに育った私はあちこち工事中のビルに悲観的で、まだ充分に使える家や建物を破壊して新しいビルをつくることに疑問を感じている。つくっては壊し、またつくる。立ち退きや利権問題などグレー部分のやりとりを経て築かれた城である場合も少なくないわけで、その繰り返しはあまりに刹那的だ。果たして車輪に乗ったビル群が向かう先は…。

角文平展
2003年9月29日(月)〜10月11日(土)
GALERIE SOL
東京都中央区銀座6-10-10 第2蒲田ビル地下1階
(営団地下鉄「銀座」駅下車、A3出口より徒歩3分)
11:00〜19:00(最終日は〜17:00)
日休
入場無料
TEL.03-5537-6960

*今後の発表予定
第7回 深澤渓あきる野芸術祭
2003年10月17日(金)〜19日(日)

角文平展
SKY FISH in GARASHA
2003年10月28日(火)〜11月8(土)
ギャラリー+カフェ伽羅舎
東京都豊島区池袋2-14-12 太陽ビル2階
17:00〜22:00
月日祝休
TEL 03-3985-5768

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2003-09-29 at 12:46 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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