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2003/08/21
栗田咲子展
「ゆったり時間」
ボタン(42×27cm/キャンバスに油彩)
■今年は冷夏で過ごしやすいと思っていたら残暑が厳しい。蒸し暑い日にのぞいた栗田咲子さんのドローイングを中心とした個展。ギャラリー入口のすぐそばに並ぶ、水彩で描かれた上半身裸で腰掛けている姿と、くつろいだポーズでうたた寝でもしているような自画像「夏休み1」、「夏休み2」がとても気持ちが良さそうな光景に思えて、暑くて少し重かった気分がすっきりしていくのを感じた。
■2頭の距離と足下の軽快な動きが想像できて楽しい「ほいさっさ」はタイトルも愉快で思わず口元もゆるむ。最近、動物園で、動物を観察して描くことの楽しさを知ったという栗田さん。動物達の写真を撮影してから描くことが多いのだそう。「観察してきても、時間が経つとどんな動きをしていたか忘れてしまうから、お手本がないと描けない気がして」と笑いながら話してくれた。
■個展を訪れた日はちょうど、栗田さんがアコーディオンやピアニカ、打楽器などいくつもの楽器とコーラスを担当するバンド「水中ショウ」のライブがあり、素敵な演奏を聴くことができた。今回の作品にも楽器をもつ自画像がある。タンバリンを叩くの手の辺りから、ふわふわと飛んでいるような花が描かれている。
■どの作品にも、つかまえどころのないような軽やかな印象がある。近頃、スローという言葉はあちこちで聞くけれど、まさにスローという感覚もぴったり当てはまるような気がして、見ていると気持ちがほぐれる。今回の個展のいくつかの作品は、長い間置きっぱなしにしていた描きかけの絵を、また描いてみたくなって完成させたものだそう。絵のタッチのせいだけでなく、頑張らずに、気が向いてから楽しんで描く、という栗田さんのゆったりした姿勢が作品の雰囲気にも漂っているのかもしれない。
栗田咲子個展
2003年8月21日(木)―9月2日(火)
複眼ギャラリー
大阪市中央区西心斎橋1-6-26 3F
(地下鉄御堂筋線心斎橋駅8番出口より徒歩3分)
12:00~20:00(最終日は17:00まで)
水休
TEL.06-6253-3266
ほいさっさ
(28.5×38.3cm/アルシュ紙に水彩)
ジャッカルじいさん
(28.5×31.8cm/アルシュ紙に水彩)
スーパー鮫
(28.5×38.3cm/アルシュ紙に水彩)
夏休み2
(38.3×28.5cm/アルシュ紙に水彩)
夏休み1
(38.3×28.5cm/アルシュ紙に水彩)
2003-08-21 at 01:53 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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