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2003/05/31
NEW GENERATION 03展
「アートでつづる私たちの生態系」
志水児王
「World Models -世界を構成する運動モデル」
半導体変調レーザー、サイン波、回転速度可変ミラー、コントローラー、スピーカー、アンプ、CDループなど
■CASOの企画展であるNEW GENERATION展(文字通り20~30代の若い世代のアーティストを対象にしたこの展覧会)も3回目を迎えた。今回は美術館学芸員、アーティストなど6名の推薦者がそれぞれ1名(組)を選んだ。
■偶然の産物か手法がそれぞれに異なり、内容のみならずその多様性も楽しめる。志水児王はサウンドや半導体変調レーザーを用いたインスタレーションを設置。赤いレーザー光がキューブ状の展示室内で、様々なかたちでの回転運動を繰り返す。聴覚と視覚に対する刺激に、全身で反応することになる。
■昆虫学者である澤田義弘の虫のドローイングと、学名等をピンでとめてつくった標本箱は未だ見たことのない虫についての細部の情報が、観ている側の頭のなかで構成されてゆく。出田郷はシンプルな2種類の造形を組み合わせ、迷路のような巨大な立体をつくっている。
■中埜幹夫は絵画による表現だが、宇宙空間や海上での戦闘といったモティーフを選んでいる。大きな現象や状況から切り抜いた一部分を、題材の複雑さとは裏腹に削ぎ落としシンプルに描き出す。5人のメンバーからなるグループAntenaは、宇宙人来訪をコミカルに描いた45分間の短編映画の上映と、映画と関連した映像やオブジェを展示。会場内に全身を覆う白い防護スーツのような出で立ちの2名が登場する場面もある。国谷隆志はネオン管を用いて空間を造形する。
■テーマをとくにもたせたものではないものの、偏りのないバランス感覚にすぐれた展覧会だ。6人(組)まったく異なるアプローチで作品をつくるが、私たちが生息するこの生態系のなかにある様々な位相を、アートを通して個々の視点で表現している。そして空間認識の多様性も楽しめる。
NEW GENERATION 03
2003年5月31日(土)~6月22日(日)
海岸通ギャラリー・CASO
大阪市港区海岸通 2-7-23
(地下鉄中央線「大阪港」駅下車8分)
11:00~19:00
月曜日休館
入場料/500円(高校生以下無料)
TEL.06-6576-3633
出田郷
木材、ビス、キャスター、ほか
439 x 439 x 197.5cm
国谷隆志
「Spaceless Spaces」
ガラス、アルゴン、水銀
サイズ可変
Antenna
「カミーユ」
映像作品「カミーユ」(45分)を中心としたインスタレーション
中埜幹夫
アクリル、キャンバス
澤田義弘
「ムクゲキノコムシ科」
方眼紙、製図インク
2003-05-31 at 01:54 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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