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2003/02/17
津田 直展
「雪山での体験」
2/21/2002 #11
ロープウェイの中から見た風景は窓にピンクのフィルターがかかっていて雪も心なしか色づいている
■前回の個展では比較的大きくプリントした作品を出品していたので、画廊の扉を開くと展示作品の1枚ずつが手札サイズ程度であるのが意外だった。壁にすり寄るように近づいて、2枚組で並ぶ写真を比較したり、そこに映っている要素ひとつひとつを確認するように見てゆく。
■雪山を登る途中のさまざまな風景。2枚の写真は前後する時間に撮影されていて、時間のズレと目線のズレが認められる。写真で時間や風景を切り取るというよりは、時間も流れ、風景も続いているということを写真にしようと津田は考えており、時間などのズレを視覚化した作品に仕上げた。
■実はこの個展で発表されている写真はいずれも、前回の個展「近づく」に出品していた火口に溜まった水の写真を撮影に行く道中に撮ったものだ。火口の撮影がメインだったので、途中は同じ場所で長く時間を過ごしてはいなかったことから小さなサイズにプリントしたのだという。
■途中で撮った写真はある意味、メインの写真の撮影の前後に生まれた副産物といってもいいものだった。だが、こうやって一つの展覧会になると、副産物どころか、これはこれで別な作品として成立している。唯一大きめのサイズにしていたのが『2/21/2002 #15』というタイトルの積もった雪の上に固まりになった雪などが写った真っ白な雪原だ。
■津田は対象に近づいてゆく直前直後にもさまざまなものを目にし、シャッターを切っている。そして現像したフィルムのなかから、雪山の風景を彼の体験した時間軸や視界を介して再構成する。雪山での体験は、撮影の前後を含めてずっと目にしていた真っ白な雪原が象徴していたのだろう。
「近づく(just beforer・just after)」
津田 直
2003年2月17日(月)~3月8日(土)
Gallery Kai
大阪市中央区備後町3-1-2アトラスビル3F
(地下鉄御堂筋線「本町駅」1番出口より徒歩5分)
13:00~19:00
日祝休廊
入場無料
TEL.06-6203-2500
*新作による次回個展「近づく(Slow is beautiful)」
2002年3月7日~29日
麹町画廊(東京都千代田区麹町3-4-2)
TEL.03-3511-2348
words:原久子
2/21/2002 #13
撮影を行なった日付がタイトルになっている
2/21/2002 #14
ロープウェイからは薄雲っているように見えていた風景だったが、実は真っ青な空で色が鮮やかに見える
2/21/2002 #16
2/21/2002 #17
山頂付近で除雪車からヘリコプターに乗り継ぐ
2/21/2002 #17(部分)
2003-02-17 at 12:23 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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