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2003/01/15

party展

「持ち寄りパーティ」


art173_03_1西山美なコ
柱の周囲(床)「Sugar Roses」2003
奥の台座「Sugar Crown」2002


■持ち寄りパーティに誘われた時、あなたならどんな料理を持参しますか?35人(組)の「party」展の参加アーティストたちは、それぞれに作品を持ち寄ってCAP HOUSEにやってきた。この展覧会は旧神戸移住センターに移民資料室と同居するCAP HOUSEというアーティストのアトリエ等に用いているアートセンターの全館を用いて開かれている。

■ CAP HOUSEは古い建物に複数のアーティストたちが3年あまり関与することでさらに味わい深い場が作り出されてきた。 今回はCAP HOUSEにアトリエを持つ杉山知子、塚脇淳、藤本由紀夫が、ここで作品を観てみたいアーティストに声をかけ、参加してもらい「party」展をすることにした。

■何かテーマがあって集まったというのではなく、むしろ異なる感性が響き合うことで、新たな出合いや発見があるのではないかという期待をもって準備がはじまった。当初は、予算もない交流を目的とした展覧会であることだし、展覧会初日に出品者に作品を持ってCAP HOUSEへ集合してもらいパーティをしよう、といった目論みもあったが。場所を下見に訪れた多くのアーティストたちは、館内のどこを使って展示してもいいと聞き、サイトスペイシフィックな作品をここに合わせてつくることを考えはじめた。

■初日に作品を持ち寄るといった展示より、場所との対話を重んじるような作品がほとんどといった大がかりな展覧会になっていった。普段発表しているホワイトキューブの無機的な空間でもなければ、キュレイターが企画したものでもない。アーティスト自身がそれぞれ、このスペースに対して体当たりで挑んできた。20代から70代まで年齢も作風も異なるアーティストたち。そして、きっと関西を拠点としていても同じ展覧会に参加することがこれまでなかったどころか、だれも予想だにしなかった組み合わせがここに生まれた。

■まるで計算し尽くされたかのように、35人(組)の作品をすべて観終えると館内を隅々までぐるりと1周することができる。ほかの参加アーティストに負けじとそれぞれが持ってきたとっておきの作品に誘導されながら、館内を歩いてゆくと、感性が普段よりなぜか研ぎ澄まされていくことに気づくかもしれない。

CAP EXHIBITION
「party」
2003年1月15日(水)~2月24日(月)
CAP HOUSE
神戸市中央区山本通3丁目19-8 旧神戸移住センター
(JR、阪神電車「元町駅」から北へ徒歩15分)
11:00~20:00
火休
入場無料
TEL.078-230-8707


※ 2月8日(土)18:00~
 イブニングアートパーティー
「椿昇の話」(聞き手:藤本由紀夫)
※2月22日(土)18:00~
 イブニングアートパーティー
「村岡三郎の話」(聞き手:塚脇淳)

words:原久子

art173_03_2西山美なコ
柱の周囲(床)「Sugar Roses」2003砂糖・卵白・ゼラチン他
柱の裾を囲む繊細な砂糖細工のピンクの薔薇は、花びらの欠片と剥離して落ちたペンキの見分けがつかないほど一体化している。


art173_03_3たかいちとしふみ
「いつも心に Welcome」2003


art173_03_4たかいちとしふみ
「いつも心に Welcome」(部分)


art173_03_5壁面)児玉靖枝「ambient light-goldfish」2002
床)松井紫朗「100mの声」1998


art173_03_6壁面)児玉靖枝「ambient light-goldfish」2002
床)松井紫朗「100mの声」1998


art173_03_7上村亮太「動物園」2002 油彩、紙


art173_03_8田中ちえこ「ブーメラン」2003
壁、天井、床も用いている


art173_03_9倉智久美子
「D-PINK 1」「D-PINK 2」「D-RED 1」ほか
2001-2003 アクリル絵具、木

2003-01-15 at 01:28 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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