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2003/01/09
光をとらえた女性たち
「新年の幕開けは光を浴びて」
ホログラフィ作品といえば石井勢津子さん
■ポーラ美術館が箱根仙石原に開館したのは昨年9月のこと。すごくモダンな建築、広々とした展示室、充実のミュージアムショップと、美術館のせめぎあう箱根の地でもかなりレベルが高い方だと感じた次第である。開館記念展はルノアールら印象派から現代日本画まで幅広くピックアップした「光のなかの女たち」(2003年6月3日まで開催)。その企画に連動して、銀座のギャラリーではじまったのが同展だ。光を共通点に、現代の女性アーティスト10名を2期に分けて構成している。
■第1部の初日に訪れた。実は石井勢津子ファンの私。ホログラフィを使ったインスタレーションはとても神秘的で、角度によって見えかくれするのを楽しんだ。吹き抜け空間にも巨大なオブジェを展示していた。こちらは昼間見るのが美しいらしい。
■浜田涼さんは写真をもとに焦点の定まらない不思議な作品を制作している。ここでも肖像、風景らしき作品を出品。ボケボケだからこそ凝視してしまう。画面の奥の何かが気になって仕方ない。デザインで使用するカラーチップを使った天利道子さんの作品は来場者とのコラボレーションを意図している。各自が好きな色のチップを選びボードに自由に貼ることで「海」をつくっていく。ちなみに私は濃紺を選んで画面右下寄りに貼りつけた。
■キャンディをなめながら靴を脱いで入るという井上尚子さんのインスタレーション。舌で甘さを感じながら、ぶつぶつした突起のある床で足ツボを刺激され、チェリーを写した魅惑の映像を鑑賞するというもの。そして最後は1階のエントランスにある高橋洋子さん巨大水槽。水面を揺らして吹き抜け空間に波紋を広げる作品だ。
■現代美術がまだまだとっつきにくいとされていることは否めないが、体感できる作品がラインナップされた同展は、その距離を縮めてくれそうな気がした。何よりも「光」というわかりやすい手がかりがいい。第2部の作家たちは全員絵画を出品するという。こちらも楽しみだ。
「光をとらえた女性たち」
vol.1:2003年1月9日(木)~1月29日(水)
vol.2:2003年2月3日(月)~2月22日(土)
ポーラミュージアムアネックス
東京都中央区銀座1-7-7 ポ-ラ銀座ビル1-2F
(地下鉄「銀座1丁目」駅より徒歩1分、「京橋」駅より徒歩4分)
10:0~20:00(無休、入館は閉館の30分前まで)
入場無料
TEL. 03-3563-5501
words:斎藤博美
浜田涼さんの作品はぼんやりと語りかけてくる
参加型の天利道子さんの作品
好きなカラーチップ(写真上段)を選んで階段の壁面に貼って海をつくっていく
井上尚子さんの映像インスタレーション
水面を揺らして天井に映る波紋を楽しむ高橋洋子さんの作品
2003-01-09 at 01:58 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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