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2002/12/21
大島成己展
「映りこむ世界」
Reflections 。VDusseldorf, stripe 001,2002
■ドイツ・デュッセルドルフ芸術アカデミートーマス・ルフの教室に籍を置いての研修を終え9月に帰国した大島成己が個展を開いている。2000年にも3か月間、同市にアーティスト・イン・レジデンスというかたちで滞在している。しかし、短期間の滞在では得られない経験が創作に影響しているのではないかと察し、1年間にどんな変化があったのか楽しみだった。
■ 今回の個展名は「Reflections」。鏡状になったガラスの表面に幾重にも映り込む都市の風景がある。現代の都市生活のなかにはガラスや物の影を反射して映す鏡面をもつ素材が多用されている。扉、クルマ、建物を覆うガラス等挙げてゆけば切りがない。映り込む風景、ガラスの奥に実際にあるものも、ガラスを通して視ることになり、すべてがイリュージョンのようで、すべてがリアルな世界でもある。
■ 作品の前をあっちへ行ったり、こっちへまわりこんでみたりしてみる。光によって映り込む色が異なる風景、ガラスが屈折させる風景など、自分の目の前に映し出されたものへの視点が自ずと変化していることに気づく。さらに、アクリル加工した作品の表面に映っている自分の姿や、背後に立つ人の影が映っている。
■ 「作為」を仕掛けと言わなければ、何の仕掛けもないのだけれど、観るたびに変化する画面の上に作り出された風景を、何度も角度を変えて眺めていたくなる。しばし飽きることなく、一人で自分の影を踏むように、画廊のなかをうろうろとしている自分がなんだかおかしくてしかたなかった。
大島成己展 Reflections
2002年12月21日(土)~2003年2月1日(土)
ノマルエディション/プロジェクト・スペース
大阪市城東区永田3-5-22
(地下鉄中央線「深江橋駅」より徒歩8分)
12:00-19:00
日祝休(12/29~1/5休)
TEL.06-6967-1354
words:原久子
Reflections。VDusseldorf, stripe 003,2002
Reflections。VDusseldorf,June 。V 306,2002
Reflections。VDusseldorf, August 。V 307, 2002
Reflections。VDusseldorf, Frankfurt, green 。V 409,2002
Reflections- Osaka 101,2002
2002-12-21 at 02:51 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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