stay with art ～窓辺の緑～

「今夜は眠れない」

Stephane Marcoult(212号室)
「Hunter's trophie」

■2日間だけの展覧会はホテルの客室を使って開かれた。このホテルでの企画は昨年に引きつづき2回目となる。参加アーティストの顔ぶれも昨年とは入れ替わり、一部屋一部屋の趣向も違う。

■ベッドやテレビなどの客室にもともと設置されていた備品を作品に取り込むなどしたアーティストもいる。彼らにとっては、こうした日常空間こそむしろ作品展示を考えたときには障害の多い空間なのかもしれない。だが、そんな要素も楽しむかのように画廊などではできないインスタレーションをそれぞれ行なっていた。

■３つの窓に映像が現われ、窓の外に映像の世界が実際にあるかのようにアニメーションを作った中野祐介+林泰彦。金村仁も窓を使って展示している。裸の大男がガラスに身体を押しつけて座っている姿の写真だ。窓の外側にいるようにも、内側にいるようにも見えるし、等身大よりかなり大きく引き延ばして、窓枠のなかに窮屈そうにしているのが笑いを誘う。

■スウィートルームでどんちゃん騒ぎを日々繰り返し、宴の跡(後?)といったようなインスタレーションは古川勝也。いずれもこの部屋だからやっちゃいました、って感じの作品。ホワイトキューブの中では浮んでこないような発想の作品が次から次へと見ることができた。力は入れているのだが、いい感じに抜けていて見終えても爽快な気分の展覧会だった。

stay with art ～窓辺の緑～
期間限定ホテル美術館
2002年11月9日(土)、10日(日)
HOTEL T'POINT大阪市中央区東心斎橋1-6-28
TEL.06-6251-7170

words:原久子

喜多順子(313号室)

澤田知子(310、311号室)
「Madonna」

中村梨沙(420号室)
「みちずれる」他

金村仁(411号室)
「CONNECTED 6畳間」

中野祐介+林泰彦(813号室)
「空想クルージング」

古川勝也(812号室)
「incidentally」