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2002/11/29

GOOD LUCK !! 現代美術の一様相

「アート声援歌」


art170_02_1ライトアップされた通路を抜けてパルテノン多摩へ


■表参道のクリスマスライトアップは自粛されたままだけれど、他は結構派手にやっている。多摩センターの駅でも、降りたとたんにオレンジ色の光りが飛び込んできた。ツリーや動物たちの灯りは駅前からパルテノン多摩までのびている。普段急ぎ足の私だが、アート展を見に行くための演出と勝手に解釈すれば自然と歩みもゆるやかになる。

■出品作家は4名。直接見ていない作家もいたがひととおり彼等の活動は知っていた。それだけにどういうまとめ方をするのか、少なからず興味があった。玉井健司、齋木克裕、古川弓子、村田朋泰。声を大にすることなく、他にない方法で自己表現を確立してきた作家たち。個展でそれぞれの世界を構築し得てきた彼等が一堂に共存する空間が想像できなかったからだ。

■会場に入ってしばし見渡した。段ボールと草木をディスプレイした玉井さんの展示を発端に、細長い展示室の4隅を拠点に各作家が陣取っていた。時計回りで齋木さん、古川さん、そして映像の村田さんは個室ブースが設けられている。正直ほっとした。担当学芸員の大久保さん、がんばったのだなあと。

■玉井さんは登山するアーティスト。自然に働きかけ提示する方法を周知している。床と壁を使ってダイナミックに写真を展示している齋木さんには見せ方の力量を感じた。小説からイメージした作品を様々な手法でつくり出している古川さんの作品も魅力的だ。そしてクレイアニメーションの村田さん。ミスチルの新曲「HERO」のプロモーションビデオをはじめ全4作が上映されているが、どれも胸キュンとなるせつないお話で、恐ろしいほどディティールに凝っている。

■この展覧会、大久保さんが心底気になる作家をピックアップしたというのがよく伝わってくる。最初にテーマありきで該当する作家を選ぶグループ展も多いけれど、好きな作家だけ集めて声援を送るといくのも有りなんじゃないかと思った。

「GOOD LUCK !! 現代美術の一様相」
2002年11月29日(金)~12月26日(木)
パルテノン多摩・特別展示室
東京都多摩市落合2-35
(京王・小田急・多摩都市モノレール「多摩センター」駅より徒歩7分)
11:00~19:00(無休)
入場無料
TEL. 042-375-1414

words:斎藤博美

art170_02_2エントランスには玉井健司作品


art170_02_3玉井健司インスタレーション風景


art170_02_4空間をひきしめる齋木克裕の写真


art170_02_5齋木克裕の新作は上部から覗く感じ


art170_02_6古川弓子の様々な作品が並ぶコーナー


art170_02_7古川弓子「海に飽きたポセイドン」(右)と「カフカのデスマスク」(左)


art170_02_8村田朋泰「ポンユタウン」の一場面


art170_02_9村田朋泰「睡蓮の人」の主人公。こんなクレイ人形をコマ撮りしている

2002-11-29 at 03:10 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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