« 曽根裕展ーダブル・リバー島への旅 | メイン | 宇治野宗輝 日本シリーズ »

2002/07/02

Mex Art Fest 2002

「メキシカン・パワー炸裂の1ヶ月」


art160_04_1エクトル ファルコン


■メキシコのアートと言ってすぐに思いつくのはフリーダ・カーロの作品だ。他には?といっても思いつかない。私の勉強不足か、と思っていたら、日本に留学経験のあるメキシコ人が言った「日本ではメキシコの現代芸術がほとんど紹介されていない」と。そのメキシコ人こそエクトル・ファルコン、Mex Art Fest 2002(以下MAF)の首謀者だ。

■99~01年にかけて京都造形芸術大学で学んだファルコンは、もっと広くメキシコの現在を知ってもらいたい、とこの企画を立ち上げた。資金繰りなど開催にこぎつけるために、大使館やさまざまな団体に働きかけるとともに、キュレーターなど大勢の関係者の協力も得て、メキシコ中でリサーチを行ない若いアーティストの発掘も行なった。

■すでにフリーダ・カーロは歴史上の人物。いまメキシコで創作活動をしているアーティストたちの表現を知ってもらいたいという願いを、京都でまず叶えた。ギャラリーイシスとPrinz The Galleryの2ケ所をメイン会場として、7月に個展やグループ展、ライブなど様々なかたちで78人のアーティストを紹介する。ペインティング、写真、映像など多用な表現を観せてくれるのは、皆30歳前後のメキシコの次代を担う人たちだ。

■ファルコン自身も写真も版画もビデオ作品もつくる。今回は自分の身体を用いて、多くの人が憧れる理想的なものに薬の投薬などで肉体改造をした記録を写真作品にするなど、カラダを張って作品をつくっている。右足にLEFT、左足にRIGHTと刺青をして写真を撮っているが、これはメキシコでは左右を識別できない人を病人として扱うことを皮肉った作品。

■テーマやモティーフなどにもメキシコの社会や文化的背景を感じるものもあるが、決定的に違うのは光だろうか。光によって浮き出す色が異なり、光によって影が違う。フリーダ・カーロに代表されるものがすべてではないことは、この展覧会を観ると一目瞭然。ぜひ、この機会にメキシコのアートに触れてみて欲しい。(ちょっと、スペイン語も勉強したくなるかも…)


メキシカン・コンテンポラリー・アート・クリエーションMex Art Fest 2002
2002年7月2日(火)~7月28日(日)
ギャラリーイシス
京都市左京区下鴨前萩町5-9 北山インイング23
(地下鉄烏丸線「北山駅」徒歩1分)
12:00~19:00(土~16:00)
月休
tel 075-723-3438
Prinz The Gallery
京都市左京区田中高原町5
(叡山電車「茶山駅」徒歩2分)
1F)8:00~2:00
2F)11:00~20:00(土 ~17:00)
無休
TEL.075-712-3900

words:原久子

art160_04_2エクトル ファルコン


art160_04_3エクトル ファルコン


art160_04_4マウリシオ アレホ


art160_04_5シメナ ベレコチェア


art160_04_6ヘロニモ アヘルマン


art160_04_7ヘロニモ アヘルマン

2002-07-02 at 06:01 午後 in 展覧会レポート | Permalink

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a014e885bb6e5970d014e88e74930970d

Listed below are links to weblogs that reference Mex Art Fest 2002:

コメント