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2002/07/27
北原照久 アートコレクション展
「濃厚な趣味世界」
精巧なフィギュアが目をひく山下信一作品
■小さなアート小冊子をめくっていて発見した展覧会。場所は横浜そごう。ブリキのおもちゃコレクターで知られる北原照久氏のコレクション展だが、サブタイトル「驚異の現代作家たち」が目にとまったのだ。どうやらおもちゃ展ではなさそうだ。現代アーティストの作品も蒐集している人だったのか…。しかし誰のものを? とにかく見に行ってみよう。久々の横浜散策。
■あいにく台風の日だったので、会場がすいていてゆっくり見ることができた。まず圧巻だったのは山口孝幸の部屋。革細工の動物たちが人間の表情をしていてユーモラス。まわりの小道具やセットまで凝っていてすごい。きっと子供たちは大喜びだろうな。
■機会仕掛けのボックスアートで知られるムットーニこと武藤政彦の作品も、一室を埋め尽ていた。よくこんなに集めたなあ。個展でもこんなに数が揃ったのを見たことがない。どの作品も音を出して人形が動いたりする不思議な仕掛けがあるのだ。残念ながらここではスイッチオンはなく概観から眺めるだけだが、精巧につくられた舞台装置にうっとりする。
■レアな着せ替え人形作品(芳賀澄子)、トイズクラブのミニチュア(中村早恵)、鉄腕アトム(荒木博志)、アルミ製の飛行機(山下信夫)、青い土星が浮かび上がるボックス(小林健二)等々、インパクトのある立体作品が中心。絵画は奈良美智、毛利フジオ、鴨沢祐仁の3作家のみ。それぞれ面白い世界を持っているが、立体のインパクトに比べるとどうも弱いのは仕方ないか。
■その日、取材撮影のため偶然北原氏が来館していた。取材後、毎日定時にだけ上演されるムットーニ作品を動かして自ら解説するなど、サービス精神を発揮し、居合わせた来館者の人だかりができていた。好きなモノに囲まれた生活を送っている幸せな人だ。
■全15作家の作品が並んでいたが、1点の作家も1室使った展示の作家もあり、ボリュームはばらばらだ。北原氏の思い入れが反映されているものというのが自然な印象。かなりのハコ好き。山下信一の凝ったフィギュアもケース入りだし、堀哲郎&泉の欧米のミニチュアハウスしかり。各作家との出会いや作品への思い入れがパネル解説されており、コレクター魂がじんわりと伝わってくる展覧会。マニアックな面白いモノを見せていただきました。
北原照久 アートコレクション展
2002年7月27日(土)~9月1日(日)
そごう美術館
神奈川県横浜市西区高島2-18-1
(「横浜」より徒歩3分)
10:00~20:00(8/20休)
大人800円、大・高生600円、中・小生400円
TEL.045-465-5515
words:斎藤博美
ムットーニこと武藤政彦の作品が
動物のお医者さん? 山口孝幸作品」
なつかしの昭和30年代絵画。毛利フジオ作
飛行機やロボット、銀色に輝くアルミアートは山下信夫作品
クリスマスのジオラマ。金子辰也作品
2002-07-27 at 05:07 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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コメント
ムットーニのオフィシャルサイトがいよいよオープン致しました。
今年は、8月20日~渋谷パルコミュージアムにて開催される大規模な展覧会「ムットーニミュージアム」の開催や、誰でもピカソ監修のDVDの発売、そしてそれらイベントに合わせて、オフィシャルホームページもオープンしました。
是非、皆さんご覧頂き、少しでも興味を持って頂けたなら、会場に足を運んでください。
よろしくお願い致します。
投稿情報: オフィシャルサイト管理者 | 2005/08/07 16:55:45