« 清岡正彦展—FLOATING DIVE | メイン | あいだだいや、林泰彦&中野祐介 ほか »
2002/06/08
今村哲 展「浮いている」
「いっしょに浮いてみたい」
庭から見た会場風景
■京都らしい風情のある佇まいをそのまま展示スペースとしているmori yu gallery 。路地を入ってゆくと、庭から室内に向かって赤いヒモが張られ、キャンヴァスへとつながっていた。描かれた宙に浮く白い雲が縛られている作品「雲」、赤い糸はここにも続いている。
■庭には色とりどりの本物の風船が浮いて、風船が下にあるイエ型のオブジェを浮遊させたインスタレーションになっている。実はタイミングが悪く、上がっている様子は拝見できなかったが。庭石のうえのしぼんだ風船も何か果敢なげで、見るものの目にはそれはそれで面白く映った。
■水に浮いている人、宇宙に浮く人、風船のなかで浮く人。ここにある作品を見ていると、「浮いている」という状態は重力に逆らったものと捉えることより、他の力から解放された状態だと思えてくる。
■今村哲の作品には物語のようなテキストがついている。会場には「風船が一つ飛んでいた。中に一人の男が入っていた。『さようなら みなさん 私は行きます』」というくだりではじまる冊子を手にとって読めるように置いている。
■テキストは作品を見た後でじっくり読むもよし、読みながら作品を見るもよし。自分のなかでさらに物語は勝手に膨らんでいくことをも楽しめる。そんな想像力を解き放ってくれる展覧会だ。
今村哲 「浮いている」
2002年6月8日(土)~7月6日(土)
mori yu gallery
京都市中京区室町御池通上ル御池之町311
(地下鉄烏丸線、東西線「御池」駅徒歩3分)
12:00~19:00
日・月・火・祝休
入場無料
TEL.075-212-4465
words:原久子
(左)「空」、(左上)「雲」雲が結ばれていて実際に赤い糸がキャンヴァスから出て屋外へとつながっている、(右)「重力に逆らう風船おじさん」空にぽっかり浮ぶ赤い風船のなかに人影が見える
「海で遊泳する人」
「海で遊泳する人」の部分
「宇宙遊泳する人」
(上)「生命の樹」油紙に描かれている、(下)「空を見上げる」
2002-06-08 at 03:20 午後 in 展覧会レポート | Permalink
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a014e885bb6e5970d01538ef40492970b
Listed below are links to weblogs that reference 今村哲 展「浮いている」: