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2002/02/28
國司華子展
「型破りな屏風」
■会場に入ったら中央に作品がひとつ。いつもは縦長の会場の壁面に、個展、グループ展を問わず数多くの作品を飾っている佐藤美術館だけに、正直いって面食らった。唯一の作品は日本画の屏風作品。しかし普通のソレではない。1枚の屏風の高さはバラバラ、幅もバラバラ、折り曲げ具合も一定でない。おまけに屏風の枚数は5枚。屏風は2、4、6…と通常は偶数だからこれも型破り。5枚でひとつになった段差のある屏風が2点、横に並んでいたのだ。
■作家は國司華子さん。
仕切リナガラ 囲マレ、更ニ 見ツメラレル 『屏風』・・・・・トイウ展。
というサブタイトルが付けられている。
■絵はそれぞれの屏風の両面に描かれているので、全部で4面の絵画が存在する。まず目に付いたのが人物のいる面である。やさしい色使いで描かれた女性像は、少し首を傾けていてアンニュイな雰囲気だ。小さな面積の屏風には水たまりのような心地よい水面が描写されている(写真2-02)。
■その左側の面は、まず深いブルーの無地画面が目立つ。隣には水際の風景、さらに左はピンク色の無地画面。左右2つの面でひとつの「水・た・ま・り」作品となるが、ビビッドな無地画面の挿入によって、見る者の視覚に刺激を与え、見えない部分を想像させるような効果をもたらしている。いいセンスだなあと感心する。
■逆の面は「めり〜・ご〜・らうんど」作品。こちらは象や豚、ラクダ、ダチョウが描かれている。遊園地のメリーゴーランドで回る動物たちなのかと思ったが、ラクダやダチョウっていうのは違う気もする。こちらも紫やグレイの無地画面が絵の間に挿入され、ゆったりとした時間の流れを感じさせる。隅々まで眺めてみれば、周囲の額装も凝っているし、どちら側にも折り曲げられる屏風というのも珍しい作りではないか? 國司さんの仕事をどう捉えるか、人それぞれ違うと思うが、私は彼女の「破天荒なこだわり」に素直に拍手を送りたい。
2000年2月28日(月)〜3月24日(土)
佐藤美術館
東京都新宿区西新宿3-2-2第一不動産7F
(JR新宿駅南口より甲州街道沿い徒歩10分)
TEL 03-3349-0799
10:30〜17:00、金〜19:00、土〜16:30(日祝休)
入場無料
会場風景
「puddle=水・た・ま・り(右)」
「puddle=水・た・ま・り(左)」
「merry-go-round=めり〜・ご〜・らうんど(入)」
「merry-go-round=めり〜・ご〜・らうんど(出)」
2002-02-28 at 12:09 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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