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2001/11/09

永吉友紀―少女楼―

「大正ロリコン浪漫」 


art144_02_1
壁面を飾る少女像


■今回もまた「少女」である。それも半裸の可愛い少女たち。時代的にはひと昔前だろう、古風な少女が、もの言いたげにこちらを見つめている。「芋虫少女」「鬼灯(ほおずき)遊び」「血紅」「地獄太夫」というタイトルからして怪しく、充分そそるではないか。この世界、知性派ロリコンにウケがよさそうな気がするのは私だけか。

■永吉友紀さんの路線はエロも入ったマニアックな世界である。斎藤真一のファンであり、寺山修司の影響を受けている、と書けば、ご存知の人ならおよそ想像がつくだろう。竹久夢二のような大正浪漫の雰囲気も漂っている。学生時代からずっと版画を制作してきた作家だが、今回久しぶりにタブローを発表した。

■画材が変わってもテーマは一緒。エログロの世界に興味があるという。モチーフは純心そうな少女だけに、どう見られるかといった計算のない無垢な部分を大切にしている。おとなっぽい表情、あどけない仕草、色っぽさをちらつかせながら、絵の中で作家が手探りしているのがわかる。今回出品されているものはあまりグロくないが、彼女のHP(今までの仕事が年代別に整理されている)には、もっときわどいものも紹介されていて、いろいろとバリエーションがある。

■会場にある「纏(てん)足娘子」という作品が気になった。昔、中国で幼女の足指を縛って足が成長しないようにした風習を題材にしたもので、実は会期前に写真で見た時からいいなと思っていた。今回実物を見て、初めて少女の目から流れているものに気が付いた。で、けっこうぐっときたんだなあ、少女の涙に。

永吉友紀―少女楼―
2001年11月9日(金)~11月21日(水)
ギャラリーミリュウ
東京都中央区銀座6-10-10第2蒲田ビル3階
(地下鉄銀座線「銀座」駅下車、徒歩3分 松坂屋裏)
12:00~18:00 木休
入場無料
TEL.03-5537-8733

words:斎藤博美

art144_02_2「纏足娘子」モダンな背景も素敵!

art144_02_3要望があって描いたという「芋虫少女」

art144_02_4「地獄太夫」一番妖艶な作品

art144_02_5会場風景。手前左が作家の永吉さん

art144_02_6ギャラリー入口には「侵入者」という小品が

2001-11-09 at 10:32 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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