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2001/10/27
神戸アートアニュアル2001/ねむい、まぶた。
木村望美「s・o」2001年
ビニール、ロープ 4500×3000mm
■神戸アートアニュアルも早いもので6回目を迎えた。出品作家11人は1973~1979年生まれ。現役の学部生・大学院生が過半数を占める。過去に出品したアーティストたちの現在の活躍ぶりを見ると、将来性のある旬の若手をいい時期にうまく採用していると言える。そして、この場が一つのステップともなっているように思われる。
■エントランスでわれわれを迎えてくれるのは木村望美の透明なバルーンだ。床と天井との間にはさまれ微妙なバランスをとっている。北城貴子の全体が薄紫のペインティングには、彼女が見たもの描こうとしたものから抽出されたカタチが記号のように写し出されている。
■古川智大の写真は3点ともぼんやりと建物のなかの風景が撮られている。ピントをどこにも合わせないこの写真のとらえたこれらの空間。印画紙のうえに焼きつけられたザラザラとした粒子がそこにあるさまざまなものを伝える遺伝子のようにみえてくる。
■坂川守の人体像もユニークな切り口で描かれている。人がまとう様々な情報を排除して、裸の肉体を描いてゆく。大竹竜太が描く山、山のうえに造成された権威的な建物、淡々と描かれたそれらに写された社会の一端。
■作品をすべて文字にして紹介することはしないが、若きアーティストたちは、みな彼らの経験などのなかから知覚し強く残るものを伝えようとする。視覚から受けたものにとどまらず、さまざまなかたちで認知したものを、視覚化している。
■11人の作品はともに“スピード感のない直球"という印象をもった。これは決して否定的な意味での表現ではない。それぞれ伝えたいことを作品に非常にストレートに出そうとする純粋な姿勢。ガツ~ンではなく、ジ~ンとしみるように、丁寧につくり出した作品群。展覧会名の「ねむい、まぶた。」は出品作家の一人が出した案だったときく、眠そうなふりをする彼らの活躍をこれからも見つづけてゆきたい。
神戸アートアニュアル2001
/ねむい、まぶた。
2001年10月27日(土)~11月18日(日)
神戸アートビレッジセンター神戸市兵庫区新開地5-3-14
(神戸高速「新開地」駅8番出口より徒歩5分、JR「神戸」駅北出口より徒歩10分)
10:00~19:00 火曜休館
入場無料
TEL.075-512-5500
*11月4日(日)15:00~ 出品作家プレゼンテーション
*ゲストトーク 参加費/1日1000円
11月10日(土)14:00~松井みどり、17:30~安斎重男
11月11日(日)14:00~斎藤環、17:30~今村源
words:原久子
北城貴子「situation」2001年
キャンヴァスに油彩 1620×1620mm
坂川守 タイトル、制作年はいずれも「Rocks」2001年
左から、キャンヴァスにアクリル、1140×1920mm /パネル、紙、アラビアガム、グアッシュ、500×605mm/パネル、紙、アラビアガム、グアッシュ、500×605mm /キャンヴァスにアクリル、2270×1820mm
大竹竜太 「Mt.underground」2001年
パネルにアクリル、1760×2500mm
中西信洋 「ダンボールカー」2001年
ダンボール、水性塗料
「車のドローイング」2000~2001年 紙に水性塗料
木藤純子 「道草と近道」2001年
スライドプロジェクター、スクリーン、飴
溝江壽之 「Untitled/Circulation Blues」
2001年 エアーコンディショナー
2001-10-27 at 03:30 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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