2001/05/17
秋元珠江展
「catcher in the water(水の中の捕まえ手)」
会場風景
■一生のうち、この手に触れて通過していくものは数えきれないけれど、この手がつかめるものはいったいどれだけあるだろう。つかめなくてもいいのかもしれないし、あえてつかまないのも、アリなんだけれど。
■薄い闇の中に、両手を映した映像が流れている。一見、水に浸した手の映像に見えるが、底が鏡張りの浅い水槽に水が張られ、プロジェクターから投射された手の映像が、その 水を透過して、鏡で反射され、壁に投影されている。さらに、上には、ひまわりやかぼちゃの種などが入った木箱があり、その中にある"さじ"がゆっくりゆっくり回転し、種をすくって落とすと、水面 に波紋が広がる。"過去の時間"の手に、"リアルタイム"に揺らめく水が重なる。外の影響を受けて、内にある手は一瞬輪郭をなくす。また、水面 の種が発芽して、手のひらに影を落とすはずだ。
■繰り返される25分間の両手の映像。手のひらに何があるのか確かめるように、見えないなにかをすくうように、あるいは、手のひらに入れたものを前に進ませるようだったり。両手を閉じてつかんでいることもある。ピクッと動いたこともあった。光の屈折でできたピンクや緑がかったヴェールの膜が手を包み、そこには温度が感じられるようだ。
■"ここ"にある種を、"そこ"にいる手は受け取ることはできない。それでも、すべての波に逆らうこともなく、手は何度も受け入れようとしていた。結果 として受け取れない空しさもあるが、何度も受け取れるチャンスが巡ってくるともいえる。彼女の作品は、まだ変化し続けるだろう。予感はあるけれどいつ訪れるかわからないざわめきを、両の手で待ち受ける過程もそっと楽しい。
秋元珠江展「パーセンテージ(%)」l
2001年5月17日(木)〜29日(火)
現代HEIGHS/G.Hギャラリー
世田谷区北沢1-45-36(東北沢駅or池ノ上駅3分)
TEL.03-3469-1659
words : 白坂ゆり
「パーセンテージ(%)」より
包みこむ手
種が入った箱
水面に浮かぶ種
数日後,再び見に行くと発芽しているものもあった。
2001-05-17 at 01:10 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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