2001/04/03
中川彰写真展
「コラボレーション」
「UNTITLED Collaboration with 京太郎」
■これまではクラブやカフェなどで作品を発表してきた。中川が今回こんな感じに画廊で展覧会をしようと思ったのは、じっくりと写真と向き合ってもらおうと思うと、クラブなどに展示した場合には他のお客さんの邪魔になったりして近くに寄って見たり出来ないからだとか。大きなプリントでインパクトのあるビジュアルでもあるけれど、たしかにしっかり見たくなる作品でもある。
■この写真のタネを明かすと、まず被写体として写っているモデルが、ライトを持って宙にドゥローイングをしている間シャッターを切る。そして、もう一度、人物を撮るためにシャッターを切る。ここに写っているモデルたちは、イラストレーターやアーティストたちだ。彼ら自身が光るものを持ってドゥローイングをする。だから、この写真は彼らとのコラボレーション作品としてクレジットされている。
■中川自身がドゥローイングや構図に注文をつけることはなく、被写体となっている人たちに、彼らのやりたいことをやってもらっている。この作品は人との出会いからまずはじまるのだという。互いの信頼関係のようなものがないと、こんなかたちで一緒に仕事は出来ない。写真を撮る中川が相手を知った上でつくってゆくので、そのパーソナリティが引き出されるような写真になっている。
■6年ほど前に撮った「リンゴを描く ヨシダミノル」は、ライトではなく火のついた松明(たいまつ)で宙にヨシダがリンゴを描いている。ピカソの作品にも同様のものがあって、その作品へのオマージュでもあるのだそうだ。写真の背景も普段ヨシダの身のまわりにあるものでかためられている。Joe Talkingtonは毎日みた夢の記録をドゥローイングに残している。彼は「DRAWING OF LIGHT」でも、夢でみたものを描いている。
■コラボーレションする相手によって、同じ手法を用いていても全く作品がかもし出すものが異なる。これからも、中川はいろんな人と出会っていろんな写真を撮ってゆくのだろう。中川とモデル、ドゥローイング、そしてプリントに仕上がった写真。いずれもそれぞれの個性を保ちながら、バランスのいいコラボレーションになっている。
中川彰写真展 「DRAWING OF LIGHT」
2001年4月3日(火)~4月15日(日)
立体ギャラリー射手座
京都市中京区三条木屋町東入るフジタビル地階
11:00-20:00 月休
入場無料
TEL.075-211-7526
「UNTITLED Collaboration with 京太郎」
会場風景
「GODZILLA Collaboration with Masakatsu Shimoda」
「リンゴを描く ヨシダミノル Collaboration with ヨシダミノル」
右から「JOE'S DREAM #4 Collaboration with Joe Talkington」「同#16」「同#15」
2001-04-03 at 12:29 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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