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2001/03/07

チャンネル・n(channel-n)

「あなたはチャンネルをどこに合わせていますか?」


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林剛「submarine帰港」+渕田和也「砂と共に」+新井慎一「on the disk」


■入口で小型のFMラジオを手渡され、指示にしたがって周波数を合わせる。ピピッピィ~と信号音を繰り返したような音が、ノイジーでありながら、次第に慣れてくると心地よくも感じてくる。3つのフロアに点在した展示室をラジオ片手に観覧していった。

■世界はさまざまな層からできあがっているにもかかわらず、表層的にしか現実を見ない私たちの日常に、「路」を開いてくれようとしたのがこの展覧会かもしれない。「一喝いれる」といった極端な刺激を与えてくれるような場というより、展覧会場となった建物の中を回遊してゆくと、すべて見終わる頃に、自分の世界観が少し広がったような気になってくるとでもいうのだろうか。いろんなチャンネルが世の中にはあることを再認識させてくれた。

■一昨年、旧・京都市立竜池小学校の校舎をつかって行なわれた「スキン・ダイブ」展の発展形ともいうべきこの展覧会は、いわゆる美術作品のみが展示されているわけではない。人体模型の歴史や、触って体内の臓器をいったん出して、詰め直したりもできる模型などが展示されている。ここでは人体の生理構造について知ることにもなる。ちなみに人体に触れることのできる模型は「たっちゃん」というらしい。「豆」も展示物として登場している。滋賀県立琵琶湖博物館の学芸員・布谷知夫氏が植物のもつ多様性を検証できる場を設けている。

■クレイ・アニメの「オートマミ-」は子供をプログラム通りに育てようとして、育児マシンに頼る母親が育児の失敗を繰り返す。死んでしまった子供は、地中の奥底で、小さな芽となって、生き続けるという結末。河野咲子が人形と一緒に展示していた窓の絵は、同じ窓に入ってくる光も、日によって時間によって異なることを記録している。人形も光も、たくさんあっても同じではない。

■廊下や階段の踊り場には、学生による1分間の映像が約20作品流れていた。映像作品の多い展覧会はなかなか短い時間でみることはできない。今回もやはり2時間ほどかけたが、すべてを見ることができず、再びこの展覧会を訪れることになった。どんなに忙しくても、見るのに時間がかかっても、きちんと全部見てみたいと思わせる充実した内容だった。

チャンネル・n(channel-n)
2001年3月7日(水)~24日(土)
京都芸術センター
京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
10:00~20:00 (最終日-18:00)
TEL.075-213-1000


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牛島達治「イトナミ、オクからテマエを越えてズウットズウット改2001」

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アマンダ・ヘン「もうひとりの女」

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高橋匡太+川口令子による中庭と建物に映し出された映像

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ソバットシアター「オートマミー」の模型

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河野咲子「人形と窓ガラスの記憶」

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大西宏志+蔭山洋子によるスロープに映し出された水をイメージした映像。水のなかを歩いているような不思議な気分だった

2001-03-07 at 10:49 午前 in 展覧会レポート | Permalink

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