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2001/01/05

8th コレクターへのすすめ展

「あけまして玉手箱」


■タイトルのとおり、手頃な価格の作品で「コレクターへ導く」展覧会。今年で8回目を迎える。毎年平面作品の競演だったが、今年は初の立体展だ。昨年は「カレンダー」をテーマにしていたそうだが、今年は「玉手箱」というお題が与えられた。

■約60名の出品者のほとんどが、版画家、洋画家、日本画家という平面作家。そのメンバーが玉手箱をどう解釈して立体作品化するかが大きな見どころとなる。会場に入るといきなり強烈なのが田端麻子さんの作品。男女の人形の腹がパックリと開いてて、女人形(玉手箱ちゃん)の中には男、男人形(玉手箱くん)の方には女のミニ人形が入っているもの。加藤正二郎さんの無数の釘を打ち付けた宝箱も面白い。神田和也さんの暗闇で光るオブジェ「月影」「宵」も幻想的。平野綾子さんの「乙姫の誘惑」「浦島の回想」という置物はストレートで分かりやすい。

■3FのUP・Sにも続きが展示されている。こちらは壁面作品もいくつかある。伊原正浩さんの黄色と青のミニチュアルームボックスの連作はなかなか楽しめた。笑ったのは壁面にあった小泉幸夫さんの「私てき玉手箱」。箱でも何でもないがこういう「逃げ」もOK だ。城下万奈さんの「青箱」「桃箱」は絵具をべったりと厚塗りした箱の中に紙(写真?)を毛糸のように丸めた玉が入ってる。その軽快さが心地よい。

■いろいろあってバラエティに富んだ展示だが、玉手箱とはどうしても接点の見つけられないものも中にはあった。とはいえ価格帯は大部分が3000円〜1万5000円と安価なので、アイデアを買う感覚でいいのだと思う。かくいう私もひとつだけ作品を購入した。角田たけ子さんの作品である。会場にはダンボール箱そのものが展示されてて中身は届いてのお楽しみ状態。これぞあけてびっくり玉手箱!だといいんだけど。

8th コレクターへのすすめ展
2001年1月5日(金)〜1月20日(土)
Oギャラリー& UP・S
東京都中央区銀座8-11-13 山田ビル2F・3F
(地下鉄「銀座」より徒歩6分)
12:00〜20:00 最終日は〜17:00(無休)入場無料
TEL 03-3574-0450

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Oギャラリーのコーナー

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初日に売れてしまったという安田勝彦さんの「想起装置」

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平野綾子さんの乙姫、浦島像

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こちらは3FのUP・S、手前に見えるのが伊原正浩さんの5連作

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これ、実は欲しかった作品。城下万奈作

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UP・Sでは中央テーブルと壁面を使った展示


2001-01-05 at 08:18 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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