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2001/01/09
溝江壽之個展
「365のカレンダー」
ギャラリーの扉越しにのぞむ展示
■2001年1月1日から12月31日まで365日分の“日めくりカレンダー"が掛けられている。画廊の壁を時計まわりにグルグルと約四周半して終わっている。壁の途中からはじまり、途中で終わっている。それは、どちらにも続く時間(日)があるから。
■カレンダーがどれも同じ厚さであることに気付いた。めくり取った形跡もない。1 枚めくって下の紙をみると、上と同じ日。もう1枚めくっても、またもう1枚めくっても、同じ日のカレンダーだった。じつは、既成のカレンダーを用いているが、365個の日めくりカレンダーを解体し、すべてが同じ日を365枚重ねたものを365点つくっているのだ。
■1月1日のカレンダーを見た。台紙の下の部分に「Untitled / 365 times a day 01.JAN.2001」とあった。2001年の1月1日が365回ある。1年は365日で、1日が365回あるのが1年。ん?グルグル、グルグル…あらっ?鶏が先か、卵が先か…そんな感じに、頭のなかの整理がつかなくなるほど混乱する。だが、しかし、展示は無駄がまるでなく完璧だ。
■あまりにも私たちの日常のなかにとけ込んでいる太陽暦を用いたカレンダー。旧暦、陰陽道による暦など様々な要素が1枚に盛り込まれている。それらに生活がすべて支配されることはないが、どう過ごすべきかの参考に考える程度には、多少は気にはなる。誕生日はどんな日だろう? 今年の誕生日が365回も!!
■タイミングとしても、年のはじめのこの時期にこの作品を観ることで、さらに鑑賞者たちを深みにはめてしまう。こんなにもシンプルな作品なのに、ナンダカンダといろんなことを考えてしまう。だからやっぱり今年も、私は365日美術遊覧してしまうのだろう。
Untitled / 365 times a day
溝江壽之個展
2001年1月9日(火)-28日(日)
VOICE GALLERY
京都市上京区河原町今出川2筋目下ル
(京阪電車「出町柳」駅下車徒歩8分)
13:00-20:00 (最終日-19:00)
月曜日休廊 無料
TEL.075-211-2985
1年のはじまり
1年のおわり
黄金週間の部分をみていると、平日に重なった祝日、土曜に重なった祝日、日曜に重なった祝日、そして、国民の休日…のデザインが異なることを発見。日めくりはたいしてデザインされていないと思っていたが、そんなことはなかった。
「Untitled / 365 times a day 01.JAN.2001」
1枚にいろんな情報がつめこまれている
2001-01-09 at 08:26 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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