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2001/01/23
日常の中のきせき miracles in life / tracks of life
「希望の奇跡\奇跡」
会場風景/壁の絵は大人がしゃがむとちょうど目の高さがくるぐらいの低い位置にある
■絵が腰くらいの位置に展示され、陶のオブジェはすべて床にあるので、どうしてもかがんで見ることになる。家のかたちをしたオブジェの中には家具などがきちんと置いてあって、幸せそうな家庭の雰囲気が伝わってくる。家の中に灯りがともされ、ランプになった作品もある。
■会場のなかを行き来するうちに、展示は無造作なようでいて、絶対的な配置になっていることに、それとなく気づかされる。作品たちがこの場所でなければダメなのだということをそれぞれが主張している。個々の場所(シマ)をもっているのだ。
■小皿の鳥は、全身を描くのではなく、別々の皿に頭、足を描いて、幾つもかためて並べている。この頭とこの足で一羽、二羽…。胴体を描かなくても、たくさんの鳥たちが集まってピョコピョコと歩いている感じが出ていて面白い。家の庭に餌を求めて やってきたお腹をすかせた小鳥たちの群れにもみえてくる。
■四人の作り手のグループ展だが、どの作品がだれのものかということは、特に明かされていない。いずれも信楽青年寮で生活する60代の男性がつくったもの、ということだ。どの作品も力強い。いろいろな大事なことを一生懸命に伝えようとする声が聞こえてきそうだ。日常を無心に生きる人たちの、無垢な叫びを拾い集めて耳を傾けると、 あくせくした日々をふと意味のないものにも感じてしまう。
日常の中のきせき
miracles in life / tracks of life
2001年1月23日(火)-2月4日(日)
日下画廊
大阪市北区天満4-1-5
(京阪電車、地下鉄谷町線「天満橋」駅下車、天満橋北詰左へ200m)
12:00-19:00 (土、日-17:00)
月曜日休廊 無料
TEL.06-6352-6903
手のひらサイズの小さな皿には鳥の頭が描かれていたり、足の部分が描かれていたりする
屋根がない家のなかはリビングルームらしい(陶)
どんどん塗り重ねられたクレヨンの色。暗いけど明るい.....
左上に太陽が燦々と照っている
動物のかたち、食器などさまざまなものが床に並んでいる(陶)
2001-01-23 at 09:00 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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