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2000/09/23

THE VEHICLE TOKYORAMA

「着せ替えテレビ」

art116_02_1「家電収納表層家具しらかばVTV60B」1997年モリスギャラリーでの展覧会出品作の復刻版

■大きなチャンネルボタンをつけた足付きテレビ。ひと昔前の家電に懐かしさと愛着を覚えるのは、それなりに心くすぐるデザインをしているからだろう。そんなノスタルジックなデザインを復刻させたような作品を制作しているのがTHE VEHICLE(ザ・ビークル)。男性2人+女性1人のユニットである。

■THE VEHICLEのデビュー作はテレビの装飾箱のような「家電収納表層家具しらかばVTV 50A」。市販の14インチのテレビをすっぽり収納して、レトロな形態のテレビで番組を楽しめるってわけ。実は3年前に彼らの作品に出会っているのだが、当時「ハコを変えてテレビを見よう!」というナンセンスな発想に思わず笑ってしまったのだった。

■会場には、「家電収納表層家具しらかば」シリーズが堂々と3点展示されている。そのうち縦型の箱のようなデザインをした「VTV2000」は、下部の扉の中にビデオデッキが収納できるようになっている。ちなみにその画面で放映されているのは「Sealcover Th eFilm」(第5回大アート展出品)というコミカルな家電CM。その対面にはソファーに座った外人のマネキンが…。実はオプションスタンドで、マネキンの手にはリモコンが握られている(笑)。

■壁面には「家電画」とタイトルされた絵画。これは買い換えられて捨てられていく家電の遺影としての絵画だという。逆の壁面には「モトラマ・プロジェクト 1999-2000 」。「VTV60B」が購入者の自宅でどのように設置されているかを調査した写真作品である。部屋にしっくり馴染んでいるというよりは、目立つインテリアになっている感じ。

■別室の展示室には映像が水面に投影された洗面台の作品「V-around the water 2000 」。三田村美土里さんとのコラボレーションなのだそうだ。さらに奥には1955年型デソート(クライスラー社)のフロントガラスにビデオを映し出した「TOKYORAMA」。映像の投影先である洗面台とフロントガラスが家電的で、ちょっと不思議な感覚に陥る。…というわけで、会場には、「型どりして再構築」というコンセプトで躍進する、THE VEHICLEのユニークな世界が広がっている。

THE VEHICLE TOKYORAMA
2000年9月23日(土)〜11月18日(土)
現代美術製作所
東京都墨田区墨田1-15-3
( 東武伊勢崎線「東向島」駅より徒歩3分 )
12:00〜19:00(土日は〜18:00 月火祝休)
入場無料
TEL 03-5630-3216


words:斎藤博美


art116_02_2「家電収納表層家具しらかばVTV2000」VHSビデオデッキも収納できる

art116_02_3手前のソファーに座ったマネキンは「家電収納表層家具しらかばVTV60B」の「オプションスタンド アングロサクソン製」

art116_02_4「家電画」買い換えられ捨てられる遺影としてのテレビを描いた

art116_02_5「V-around the water 2000」三田村美土里氏とのコラボレーション

art116_02_6ダイヤルマグネット(790円)/エンブレムマグネット(590円)/Tシャツ(2500円)

2000-09-23 at 03:13 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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