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2000/09/09
伊藤誠展
「意味あるナンセンス」
メインギャラリーに横たわる「Untitled」
■伊藤誠さんの作品は初めて見るわけではない。ギャラリーでの発表以外に多数のパブリックアートを手掛けているので少しだけ知っていた。私はなんともいえないカタチをした作品の制作者と認識していた。
■ギャラリーを訪れた日、運がいいことに伊藤さんは在廊していた。以前から聞いてみたかった質問(というか愚問)をついに投げかけてしまった。「何をテーマに制作しているのでしょうか?」と。少し時間があいた。「ナンセンスというか…意味のないカタチという印象だけが見る人に残ればいいと思ってる」メインギャラリーに横たわっている作品を2人で眺めながらの対話。伊藤さんは「アタマ山」という落語を例えに話してくれた。思わず楽しくなった。
■それは船のようにも、両翼が欠けた飛行機のようにも見える長細い物体だった。側面部分に隙間があいていて、空洞の物体の中を覗いてみるとそれが光のラインのように見える(写真2番目)。作品の両端から覗き合えば奇妙なコミュニケーションが成立しそう。いいなあ、これ。展示室の上の方には吹き出しみたいなカタチをした「重い月」。思い付き?
■2Fの展示室にはこれまた不思議な形態をした「4本の柱」が壁に寄り添うように展示されていた。中に使っている柱が4本だから、と伊藤さんはあっさり解説してくれたが、既に私はハハハ状態(笑う、の意)である。
■エントランスの作品(写真6番目)も存在感があるようでないような奇妙なカタチ。これを見て小さな来場者が「ニャンコみたい」と言ったそうだ。それが「今まで一番嬉しかったこと」だそう。住宅を改造したステキなギャラリーで、楽しい展示、やってます!
伊藤誠展
2000年9月12日(火)〜10月21日(土)
ガレリアキマイラ東京都大田区久が原1-22-1
( 東急池上線「久が原」駅より徒歩10分 )
11:00〜19:00(日月休)入場無料
TEL 03-5700-1524
words:斎藤博美
写真上の作品を脇の隙間から覗くとこう見える
メインギャラリーの上部にある金網の作品
「重い月」
版画作品「湿度計」
2Fギャラリー「4本の柱」
エントランスにある「Untitled」
2000-09-09 at 04:48 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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