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2000/06/05
杉浦隆夫展
「手で触って見る」
陶のオブジェが床にインスタレーションされている
■床に並んだ掌(てのひら)にちょうど載るくらいの9つのオブジェ。床の木目と混じり合うような色は粘土のもともとの色だそうだ。見るだけではなく、触ってみても構わない。焼いてあるので固いが、指の跡をたどってゆくことができる。
■浮かんだイメージをまず紙にスケッチすることからはじめる。粘土をつかみ取り、そのイメージにむかって、指で粘土をつまんだり、おさえたりしながら形にしていくのだそうだ。
■触ってゆくと、つくられてゆく過程やものの形というものを、直に感じることができる。
「舐めるように見る」という表現があるが、このオブジェはもっともっと直接的な見方ができる。
■視覚から入った情報のみを脳で認識するのではなく、視覚と触覚の両方から伝達された情報によって、作品を認識できる。情報量が倍になったことによる混乱はない。見ているのに、見えていないものがたくさん見えてくる。手で見ることができるのだ。
■「触ってつくる。当然のことですが…。触って見る。何故か当然なことではありませんが…。」という杉浦さんのコメントがあった。視覚に障害をもった人にとっては当然のことなのかもしれない。見えているのに、見えていない私たち自身は、かえって自由がないのかもしれない。
杉浦隆夫展
2000年6月5日(月)~17日(土)
O ギャラリー eyes(大阪) http://www2.osak.3web.ne.jp/~oeyes/
大阪市北区西天満4-10-18石之ビル3F
11:00~19:00(土曜~17:00)
日曜休廊
TEL.06-6316-7703
以下3つは同じオブジェです。これがはじめ紙のうえでイメージしていたかたち
裏返して別の方向からみるとこんな形
また、別な方向からみるとこんな形
手でこんなふうにして触って、指の跡に自分の指を押し当ててみたりします
ひょろひょろと指が伸びたような形もある
2000-06-05 at 09:25 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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