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2000/06/05
坂上チユキ展
「青く深い世界にはまりこむ」
会場風景(ドゥローイング)
■展覧会のサブタイトルのCAERULEUSとはラテン語で「青い」という意味なのだそうだ。紙に描かれたドゥローイングと油彩 ペインティングが展示されているが、深い海のなか、あるいは天空を彷徨うような気分にさせられる。非常に細かく複雑に入り組んだ絵柄が、今にも、動き出しそうでもある。
■知らず知らずのうちに、ドゥローイングをみるとき、作品に鼻がつくほど近づいて見てしまっていた。さまざまな画材を使って描いているが、その繊細な線や点がつくりだす面 を見ていると、どんどん内側に引き込まれていってしまうのだ。
■作品には坂上さんによってぞれぞれ物語がつくられている。残念ながら、それらは読めるように展示されていなかった。だが、思考の連続が絵画として表わされ、そこから更になにかが増殖してうちに、物語りができていったのだろう。それは作品をみていても伝わってくる。
■彼女の脳裏には多くのものが現れ、それを紙やパネルに映している。壁にかかった作品をまえにすると、彼女のなかに入っていってしまうような幻想にとりつかれる。一筆一筆、色を引く、その作業の間にも、彼女のなかに立ち現れているだろう幻とも現ともつかないイメージを想うと身震いしてしまいそうになる。
坂上チユキ展 ―CAERULEUS―
2000年6月5日(月)~30日(金)
MEM INC.
大阪府吹田市垂水町3-16-39-415
月~金 13:00~18:00
土・日要事前予約
入場無料
TEL.06-6378-7790
*坂上さんは群馬県富岡市立美術博物館にて7月8日からはじまる展覧会にも出品予定。
●「よろこび・びっくりアート展」
会場/富岡市立美術博物館
(富岡市黒川351-4 tel.0274-62-6200)
会期/2000年7月8日(土)~8月20日(日)
words:原久子
会場風景(ペインティング)
「精一杯の友達へ」
紙に水彩他、8.8×8.9cm
「Leishmania」
木パネルにアクリル、72×104cm
「ケツァルコアトル・アズール」
キャンヴァスに油彩、168×137cm
撮影:福永一夫
2000-06-05 at 09:31 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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