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2000/05/16

野田凉美展 WORD WORK

「コトバをきる」   


art108_04_1会場風景:椅子の表面にもすべて文字が編み込まれている。壁に青いチューブで縁取りがあるのがみえるだろうか。


■「diet」「シゼン」「アンゼン」「ケンコウ」など、私たちの目に日ごと繰り返し飛び込んでくる文字やコトバ。新聞や折り込み広告に溢れるこれらの言葉は、それだけで商品価値をもってしまっていることに、野田さんは興味をもった。

■彼女は、多くの人が呪文のように唱えれば、唱えるほど、言葉はその本来の意味から遠退いてしまっていくのでは、と危惧する。言葉を唱えるだけで、満足してしまったり、大切なことがお座なりにされるのではないかということだ。

■コンピュータ出力した言葉を布に転写プリントし、裂いてつくった言葉のリボンを編んで、椅子などの家具や、衣服、カーテンなどをつくる。不用になった書類がシュレッダーで裁断されていく、まさにあのイメージのもの。それが、編むという作業でかたちを得ていく。

■展示室の入り口に、コトバで出来たコートやドレスがかかっている。今回は鑑賞者はそれらを身に着けて、展示をみることができる。衣服には、身体を外から守るという性質や、外見を飾るという役割ももつ。だが、それとは別 に、身にまとうことで、内面を裸にして、自由にする力があると野田さんは考えている。コトバを編み込んだ衣服を着ることで、その呪縛から解かれることもあるのではないかと。

野田凉美展 WORD WORK
2000年5月16日(火)~28日(日)
ギャラリーマロニエ
京都市中京区河原町四条上ル 
12:00~20:00(28日は~18:00まで)
入場無料
TEL.075-221-0117

words:原久子

art108_04_2床の青いコートは輪郭を「パパ」「父」という文字によって縁取られている

art108_04_3DIET の文字が足になった幅の狭いテーブルのうえには、ビタミンなどのタブ レットのようなものが置かれている

art108_04_4このお人形が今回の展覧会の主役のようです

art108_04_5「diet」「kcal」と編み込まれたセーターの部分

art108_04_6画廊の入り口にコートやドレスがかけてある。会場にはこの衣装を身に着けて入ることになる

2000-05-16 at 09:01 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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