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2000/05/15
川上和歌子展 jam-aid
「赤×白×ひとがた=?」
会場風景
■川上和歌子作品のシンボルマークは「ひとがた」。布で「ひとがた」を縫って首のところから裏返す。頭部はない。彼女は、裏返した時のふわっと感がたまらなく好きだそうで、この「ひとがた」に囲まれたい一心でひたすら縫いつづけている。その数は1万人(点)を超えるというからハンパじゃない。
■なぜ「ひとがた」なのか? 聞いてみたところ、ピカソが若い頃に描いていた、ひょろっとした人物(サーカスの男の子など)を人形で創りはじめたことがきっかけだという。いわば立体模写 である。そして頭や帽子などは必要ないと感じたらしい。それが原型となって、川上和歌子の「ひとがた」は始まった。
■今回、かなり広い会場で発表している。ダイニングバーに併設されたギャラリーで、壁面 は幅27メートルもある。そこに赤白のストライプの「ひとがた」が3つずつ組になって整然と展示されている。数えはじめたが断念。目がチカチカしてしまってとても数え切れない。中央の壁の前には赤い柵が設けられていて、その中にはちょっと大きなひとがたぬ いぐるみが無造作に置かれている。背中には赤白のひとがたリュックを背負っている。ここは中に入って自由に遊べる(触れる)ということだ。ちなみに壁は820人、柵の中には250人いるそうだ。「気持ちは外へ外へと向かっていて、できるだけ広い空間で作品を展示したいんです」と語る川上さんにはぴったりの会場だ。
■タイトルの「jam-aid」は、赤白のストライプがジャムサンドのように見えることと、救急隊の色であることからつけられた。訪れたのがちょうどバータイムだったので、照明は平常より薄暗かったと思うが、とてもなごめる空間だった。飲食しながら作品を楽しむのも悪くない。色と形が発するカワイサと同時に、自由きままそうに見えて自由のない「ひとがた」から哀愁を感じたりして…。
■最後にもうひとつ! 彼女の作品のプライスはほんとうにお買い得だ。以前ギャラリーで発表して完売したという「おでかけバッグ」は980円(今回新たに制作)、「ひとがた3人組」は1500円、「リュックを背負ったひとがたぬ いぐるみ」は4000円。多くの人に持ってもらいたいので、自分でも買える値段を付けているとのこと。こんなに手軽にアートを持てるなんて朗報だよね。
川上和歌子展 jam-aid
2000年5月15日(月)~6月11日(日)
ギャラリーアート倉庫
東京都杉並区下高井戸2-5-1 2F
( 京王線「下高井戸」駅または「桜上水」駅下車、徒歩7分 )
12:00~18:00(5/28休)入場無料
※18:00~ダイニングバー「高井戸倶楽部」から作品を見られます
TEL 03-3323-3415
words:斎藤博美
ひとがたぬいぐるみ リュック付き(4000円)
ひとがた3人組(1500円)
楽しい作品が展示販売されているコーナー
柵の中で絡まり合う、ひとがたぬいぐるみ
2000-05-15 at 01:00 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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