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2000/02/12
port/endインターメディウム研究所修了制作展
「はみだそうにもはみだしきれないもの」
TAZ Temporary Autonomous Zoneのブース/ここはアーティスト・イン・レジデンス講座のでは、ラジオ放送の生本番中。担当教員の上野俊哉氏に電話がつながっており、受講生が電話でインタビューしていた。
■いずこへ行っても2月~3月は美術系の大学や専門学校の卒業展のシーズンである。街の画廊でも4年生の初個展というのが、このところ目につく。京都の大学等はほとんどが京都市美術館で展覧会をする。これしか知らなかったので、東京の私立の美大は学内他で卒業展をするのだと知ったときには意外な感じがした。
■ホワイトキューブのなかではおさまりきらないタイプの仕事も増えてきている、といってもやっぱり美術という制度に守られてこそ理解できる仕事もまだまだ大多数だ。某公立芸大の制作展会場でも、日本画・油画・工芸・彫刻…、とちゃんと分けて展示していた。でも、美術館でやることに意味を見い出すような、虚像を崇めるような態度は感じられない。いつもここでやるから。別の場所をわざわざ自分達で考えなかっただけだ。運送の準備もすべて学校が用意してくれる。学生は指示されて通りに動いて、自分の作品を展示するだけだ。
■学校とはあえて言わないインターメディウム研究所IMIの修了展の場合は、いまSUMISO(倉庫を改造して使用されているアトリエ兼発表の場)をメイン会場に行なっている。ギャラリーのほかに、教会、バー、クラブといった場所も会場としており、総勢100人以上の研究生が1年間の成果を発表している。ここに籍を置く研究生と呼ばれる人たちは、ほとんど大学あるいは大学院を既に出ていて、社会人を経験している人もいる。そのあたりがやはり違うのか。彼らは、発表の場をより巷の社会と近い位置に求めた。
■展示の構成やパブリシティなどについても積極的に自分たちのことなのだから参加している。ある講座の研究生が、自分達はギャラリーなどの制度を超えたところで発表していきたい、ということを話してくれた。懸命に取り組んでいる真面目な姿勢は評価できる。なかには面白い作品もある。でも、みにきている人たちもお行儀よく鑑賞しているし、やっている人たちも、はみだそうにもはみだしきれない何かのなかに未だいるような気がした。
port/end インターメディウム研究所修了制作展
SUMISO(大阪)
2000年2月12日~20日
その他の3月31日まで大阪、兵庫県内各所にて
詳しくはIMIを御覧下さい
複雑系のブース/ Webデザイン講座の学生が作品を展示
アートドキュメンタリー・ビデオ上映のブース/学生たちが同世代のアーティストの日常や創作の姿勢をビデオ作品にしている。椅子とモニターのラックがなかなかイカシテた。
見本市会場のようにブースが並んでいる
写真講座の学生も展示発表
Sound Garden/CDやCDブックが視聴できたり買えたりするコーナー
2000-02-12 at 09:36 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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