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2000/02/21

画廊の視点2000/大阪府立現代美術センター

「こんな人たちどこにいたんです?」

art101_07会場風景/作家紹介場面、左から金澤毅、一人おいて奥田輝芳、國府理、岩澤有徑


■今年で7回めを迎える「画廊の視点」。関西の9つの画廊が集まって、それぞれの画廊の推薦するアーティスト1名の作品を一同に展示する場だ。もともと「アートフェア」という名で行なわれていた企画だが、少しかたちを変えて続けられている。各画廊のほうでも出品作家の個展を催すなど力を入れている。

■たいがいの場合、そこそこ発表歴もあり、名前も知られた作家の作品がもってこられる。そういう人たちの作品はそれなりに見ごたえもあるし、ハズレることがない。こういった催しは費用もかかるし、いずれにしても画廊はリスクを負っている。だから、そこで地道にやるか、思いきって冒険するかは、画廊主の腹一つだと思う。

■冒険が成功していたのが、セルフ-ソウ・アートギャラリーから出品した劣勢ウイングというユニットだった。この春、大学の写真学科を卒業する二人組の写真とビデオを使った「米」をテーマに扱った作品は、あっけらかんとした馬鹿馬鹿しさがたまらなくよかった。作品づくりは完成度も高く、真剣に取り組んでいる態度の伝わってくる。くまなく関西は見て歩いているつもりだったが、いったいこんな人たちどこにいたのか、とあっけにとられた。

■もう一人、國府理さんの名前もあげておきたい。彼は「自動車冷蔵庫」と「POWERASSIST HELMET」を出品。初日の夕方、ショーン・ローのパフォーマンスが終わり、出品作家の紹介があった後、パーティ会場へと移動してゆくお客さんたちを尻目に、おもむろにモーターで回転する扇型の翼のついたヘルメットをかぶって、キックボードで会場の中を一周した。國府さんは、一貫してAUTO-MOBILEのシリーズをつくっている。さまざまな背景をもった自由に動くことのできるクルマ型の作品には、現代社会への皮肉ともとれる制作意図がみてとれて興味深い。会場で係の人に頼むとこのヘルメットをかぶることもできる。ぜひ、おためしあれ。

画廊の視点 2000
2000年2月21日~3月3日
大阪府立現代美術センター
(大阪市中央区大手前3-1-43 tel.06-4790-8520)

art101_08劣勢ウイング作品/左から「民法ライス」「ライス博士」「ライス坊や」「農林ライス」

art101_09劣勢ウイング作品/写真の下のほうに茶わんに入った御飯も

2000-02-21 at 09:41 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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