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2000/01/06

天神橋筋六丁目

商店街にパブリック・アート登場 


art99_06エントランスの天井は山口勝弘の立体作品


■日本一長い商店街といわれている「天神橋筋商店街」に、かの山口勝弘氏が企画したマルチメディア型パブリック・アートが登場した。大阪では「天六(てんろく)」と呼ばれるエリアは、この地名の響きからも想像がつくように結構ディープな下町である。

■据え付けられている市立住まい情報センターのエントランスの円筒型の吹き抜けの部分に、クリストフ・シャルル氏のサウンドの作品が鳴り響いている。同じ吹き抜けの天井部分にゆっくりと点滅を繰り返す三つの三日月型の立体物は山口氏による作品だ。柱にはホログラフィの作品があって、少し離れて正面に立つと双眼鏡が見える。それを覗きこむと肉眼では中に大阪城がみえてくる。

■それにしても、ここもなのね…って感じだが。誰一人として作品に興味を示している通行人はいない。私が写真を撮っていると、いったい何をしているのだろうかと気をとられる人はいても、作品そのものについての興味ではなさそうだ。地下鉄谷町線、堺筋線の二本が乗り入れている駅の真上でもあり、ひっきりなしに買い物客は通っていくにもかかわらず…。

■設置されている住まい情報センターでさっそく取材をと思い窓口で質問してみる。しかし、大阪市の住宅政策課で詳しくは聞いてみて欲しいと云うことで、ここでは何も教えてもらえなかった。自転車置き場にならないようにと囲いをして配慮はなされているが、周りはぎっしりと自転車が駐輪されている。これがパブリック・アートの宿命というやつだろうか。

■商店街というのは街そのものが生きているから手ごわい相手だ。その日常のなかに異質な刺激を注ぎ込むっていうのは、なかなか難しい。音や映像などのそのものが時間軸をもつ作品というのは、これまでに公共スペースには少なかったし、そのうちきっと気づいてもらえるのだろう。

所在地:
大阪市北区天神橋筋六丁目
市立住まい情報センター
エントランス、商店街側壁面


art99_07山口作品


art99_08商店街に面して設置されたモニターをつかった山口勝弘作品


art99_09大阪の風景などモニターにはさまざまな映像が映し出されている


art99_10ホログラフ作品はエントランスの柱に三点設置されている。浮き上がった赤い双眼鏡を覗き込むと、肉眼では大阪城を見ることができる。

2000-01-06 at 09:18 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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