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1999/12/10
木村友紀展/ハンカチ
今度ハンカチ使うときは…
会場風景
■白いハンカチに、泣きべそをかいている子供と、それを慰めるようなそぶりの小鳥の絵がついている。そんな絵のついた正方形のポストカードが届いた。ハンカチには「ハンカチの中で子供が泣いています。どうやって涙をふいたらいいですか?」と書かれている。このクイズのようなメッセージの答えが、個展会場にあるのだろうかと確認しに出かけた。
■画廊のなかから、木魚をたたく音が聞こえる。ビデオ作品の音だった。扉を開けるとその部屋の住人らしい人が、白いハンカチで顔を被って仰向けに横たわっている。カメラが近づいて、ハンカチがはずされる。ハンカチをはずされた人は目を開いてうす笑みを浮かべる。同じ動きがいろいろな人の部屋で繰り返される。
■第1室の壁には1m角の6枚のハンカチの写真がかかっている。ポストカードの子供、花の柄、チェック、べそをかいている子供の顔のアップ、FICTIONS PERMEATE SOFTLY AND SLOWLYと書かれたもの、オレンジ色に染まる海岸の風景という6点だ。
■6枚のハンカチと1組の男女をモチーフにして、展開してゆく作品が第2室には並んでいる。謎は深まる。いったいどういった関係性がこれらの間にあるのかを、観に訪れた人は考え込むのだろう。
■英語で書かれたメッセージが鍵を握るのかもしれない。「FICTIONS PERMEATE SOFTLY AND SLOWLY」日本語に訳すと「しずかに、ゆっくりと浸透するウソ」になる。なぜかクスっと笑えてしまう。ビデオのなかでハンカチをはずされた人のように。
■トリック?それほどのものではない。イタズラ?そんな幼稚なものではない。頭の中が交錯してゆく。しずかに、ゆっくりと…。さて、子供の涙はどうやってふきましょうか。
木村友紀展/ハンカチ Kodama
大阪市中央区備後町4-2-10丸信ビル2F
tel.06-4707-8872
1999年12月10日~2000年1月22日
11:00~19:00
words:原久子
2本の椰子の木、岩場には2組のカップルなんてお決まりの構図の夕暮れどきのビーチの様子だ
postcardにもなっていた子供
第2室=12枚のハンカチが並んでいる。ハンカチのうえに腕、脚、全身、指輪…が
1999-12-10 at 04:09 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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