« 尾崎玄一郎個展 | メイン | 取手リ・サイクリングアートプロジェクト »
1999/12/07
展覧会かろきねたみ
かろきねたみにかろきねたみ
山崎暢子「domestication」
牛革マークをかたどったクッション入りの白いタオル。表面に2.5cm角の白いタイルを並べ、裏側には中身を取り出せるファスナーがついている。
■岡本かの子の処女短歌集からタイトルをとったこの展覧会には同世代の6人のアーティストが参加している。ひと昔まえ(っていつ?)なら、「女性作家6人展」てなサブタイトルがついた展覧会かもしれない。(男子が6人展をしても「男性作家展」とは未だに誰も言わないのにネ。)
■この6人はそれぞれマイペースに自分の普段の作品を発表している。とくに「かろきねたみ」を意識して制作したものを出そうとか、そういう勢いは見えない。肩に力を入れない「ふつう」が自然で、それでいてしなやかな芯の強さが気持ちいい。
■白い壁の空間に、作品もほとんど白い。白くなくても透明感のある作品だ。女性らしさをウリにするような媚びたところはないが、女性の感性がプラスの特徴となっている。
■6人6様に、伝えようとしていることも、表現手段もまるで異なる。ほっとしたり、ドキっとしたり。とてもそれぞれに魅力的で、ついつい嫉妬している自分に気づく。そして、そういう気持ちを素直に肯定することに抵抗がない。
■丁寧にみてゆくと、くるりと1周するのに結構時間がかかる。たっぷりと時間に余裕をもって見に行ってもらいたい展覧会だ。気が付いたら、きっと思いのほか時が経っているはずだ。この展覧会を観た男子の意見を聞いてみたい気がする。
展覧会かろきねたみ
ギャラリーそわか
京都市南区東寺東門前町
tel.075-691-7074
1999年12月7日~23日
13:00~20:00
words:原久子
斎藤麗「LINK」
アイルランド在住の斎藤が出したのは、画廊の窓に薄い布地に円の連なりをほどこしたカーテン。
平山由紀子「夾竹桃」
平山は白い夾竹桃を日本画で96年からずっと描いている。絵の前に、空気で膨らませた透明の小さな椅子を持っていって座ってみていると、庭にしゃがんでいるような感じだ。
北窓眞美「自由なるトリ」
10cm角の立方体には、1面だけ格子が入っている。これを北窓はとりかごと呼ぶ。このかたちを基本形にして、複数を並べていったドローイングや、インスタレーションなど。単純な繰り返しのなかで「何かしているのは何かとか何か?」自分に問いかけ続けている。
かなもりゆうこ 2階のスペースをひとりで使っていたかなもりは、まなみちゃんという小学生の女の子とその家族などとの関係を写真やビデオで作品にしている。
中西美穂「la patriote /愛国主義者・女性形」
この展覧会の企画者でもある中西は、閉塞感のある真っ白な地下室の壁のくぼみに鏡を置いた。そこには梁にとりつけられた日の丸が映っている。
1999-12-07 at 04:05 午後 in 展覧会レポート | Permalink
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a014e885bb6e5970d015432c74f2b970c
Listed below are links to weblogs that reference 展覧会かろきねたみ: