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1999/12/05

尾崎玄一郎個展

「こだわりたい貴方のためのバッグ」


■尾崎玄一郎さんといえば、とにかく面白い作品をつくっている作家、と私の頭にはファイリングされている。以前はパンチカーペット(業務用の灰色のカーペット)を素材に、着ぐるみを制作していた。赤いハート模様のキュートなゾウの着ぐるみを、作家自身が着用してパフォーマンスをしたりして、一見イッテしまっているけど、本人は極めて真摯に「人間の生き様」を模索しているのではないかと解釈している。

■先日、彼から届いた個展のDMは、バッグの写真だった。真ん中に「瞳」が描かれた丸型の手提げカバン。素材はパンチカーペットにちがいない。どうしちゃったんだろう? でも可愛いデザインだな、そう思って展覧会を訪れた。会場に足を踏み入れた最初の体験は、見つめられたこと。えっ誰に? もちろん、カラフルで自己主張の強いバッグたちに。

■会場は、全て絵柄が異なるバッグのオンパレード。丸バッグは直径40〜50cmくらいだろうか。けっこう大きくていろんなモノが入りそう。とにかく目立つ。「SNAKE」「BEAUTIFUL」「DM」と、タイトルは動物だったり、歌の題名や気になるコトバだったりする。裏面のデザインも表とは別もの。それを見せるために、バッグは壁面に垂直に展示してある。この立体的展示がけっこういい。バッグの展示室は3室、別の階には動物のかぶりもの作品の部屋もあった。こちらはキリン、蛙などユニークなキャラの仮面がいっぱいだ。とにかく、ひとりでは十分すぎるくらい広い会場なのだが、尾崎さんのパワーも負けてはいない。

■「もっとアートを身近に感じて身につけてほしいなと思ったからバッグなんです」と尾崎さん。持っている人が多く、ちっとも個性的じゃないヴィトンやプラダといったブランド品に満足するのではなく、「自分だけのこだわりを持とうよ」という主張でもある。みんな一緒の横並びにあまんじてコダワリをなくしつつある人達へ……作家のメッセージが込められたド派手なバッグは、貴方に何かを開眼させてくれるかもしれない。

1999年12月5日(日)〜12月19日(日)
GHギャラリー・ホシヤ
東京都台東区上野桜木1-4-7
TEL 03-3822-0330
13:00〜19:00
無休
入場無料


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次の会場へ向かって立体的に展示されたバッグ

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とりわけ手の込んだ絵柄の2点。手前から「COMPASS」と「BIRD」。男性にぜひ持ってもらいたい逸品!?

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「COW」動物仮面シリーズでひときわ目をひくウシ

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「BALL」さりげないこだわりを主張するポシェット

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作家の尾崎さんが試しにバッグを下げてみました

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「FANTASY」使い勝手のよさそうなスクエアバッグ

1999-12-05 at 03:58 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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