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1999/11/23

岡田一郎+藤本由紀夫展

「みえましたか?」


art91_01入り口の足下にアーティストの名前が


■この画廊は、通りに面した部分が全面ガラスの引き戸になっているので、表から何をやっているのかがよく見える。この日、道路を隔てた歩道からいったん画廊をみたが、床にも壁にも何も見えない。扉のまん中に、青い換気扇がまわっているのだけが見えた。

■はて?いったい何ごとかと恐る恐る入ってみる。がらんとした画廊の白い壁に蛍光灯の光りの反射がまぶしい。今回はじめて、岡田さんと藤本さんはコラボレーションをした。二人とも音を素材とした作品を、以前からつくっているので、二人の名前が並ぶことにさほどの驚きはなかった。

■でも、音は聞こえない。モーターで動いているわけではなく、風で動いていることがわかる。換気扇の回転音とか、風の音が作品なのだろうか、と耳を澄ましてみる。仕掛けをみつけようとして、キョロキョロと観察してみる。見えるわけがなかった。空気圧や空気の対流は、煙りでもなければ視覚では確認できない。

■画廊の前に立つと換気扇(A)回転しているのが見える。扉を開けてなかに入る。内と外の気圧が一定になるので、換気扇(A)が止まる。もともと画廊の壁にある換気扇(B)を切ると、屋外と画廊を隔てる扉についた換気扇(A)が止まる。室内の空気の対流が止むからだ。

■え?なに?わからなかった?とにかく悔しかったのは、自分でこのことに気づく前に、説明を受けてしまったことだ。多分、このことに気づく瞬間がすべてだったかもしれないのに…。またしても、してやられたり、という思いで画廊をあとにした。

岡田一郎+藤本由紀夫 展
1999年11月23日~12月5日
アートスペース虹
tel.075-761-9238
(地下鉄「けあげ」駅下車、都ホテル西隣)


art91_02静止しているように見えますが回転している換気扇(A)


art91_03回転している換気扇(B)


art91_04停止した換気扇(B)

art91_05内側からみた回転している換気扇(A)


art91_06戸の開け閉めを繰り返し、いったいなにが起こっているのか確かめている

1999-11-23 at 03:42 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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