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1999/10/09
英 ゆう展
「ごきげんなサイクリング」
正面から見た顔
■河原の土手の小道を、大きな口を開いた顔が、ばく進してゆくビデオが流れていた。英さんがいうところの「第3の目」から、彼女自身が顔をのぞかせている。どこまでもどこまでも永遠に、走っていきそうなくらい楽しそうだ。今回はこの作品をメインにした個展だった。
■三輪自転車の前に、巨大モンスター(?)の顔面が取り付けられている。走行時は、それをこいでいるわけだ。モニターの台座には移動した軌跡のドローイングが描かれている。ごきげんなサイクリングを見ていていっしょに悦びあえる。
■スケッチブックに、最初に鉛筆で描いたエスキースから、約1年かけて作品ができた。その間、彼女は、モルジブの海とモンゴルの大平原での生活を体験した。2回とも数日間という短い滞在だったが、いろんな呪縛から解放されたということだ。
■見渡す限り平らな牧草地が続くモンゴルでは、視界が広がり、目の前の景色が半円球に見えたという。馬に乗った人々が遠くから走ってくる勇壮な様子がモティーフになっていたり、モルジブの宿泊先の部屋での出来事が大きな画面に作られた作品は、ライブ感あふれるものとなっている。
■仏陀の顔あるいは天使の顔を自画像とダブらせて描いた作品がけっこう目立っていた。このことについて問うと、信仰とは無縁だが、近頃、神などの存在をなんとなく自然に受け入れることに疑問を持たなくなっていたと話してくれた。
●英ゆう展
ギャラリーそわか
(京都/tel.075-691-7074)
1999年10月19~1日
横から見た顔
立体になった絵画
モンゴルの大平原を走る馬
英ゆうの作品は全部がセルフポートレイトなのかもしれない
1999-10-09 at 10:53 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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