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1999/10/02

ワークショップーワタシタチノ肖像ー

「見ることのために」


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各班5名程度で作業中


■4つの班に分かれて作業はすすめられていた。2日にわたるワークショップには88歳の老婦人も参加していた。わきあいあいと、いいムードで1日目に撮った顔のパーツ写真を組み合わせる。椅子の上に立ち上がって、机のうえに出来上がってきた顔の様子を確認する人など、みんな真剣そのもの。

■一人の顔を36枚(フィルム1本分)のパーツにわけて接写しているので、毛穴までくっきり写っている。大学生から88歳までのあいだには、約60歳くらいの年齢差がある。参加者20名中、男女比は1:4。この顔を混ぜ合わせて一つの肖像をつくるわけだから面白くないわけはない。髪の色も5人いれば5通りある。

■出来上がると、それぞれ班によって、組み合わせ方に個性がある。作品の完成だ。ワークショップはここまでで終わるのが普通だが、しかしそうはいかない。パネルに仕上がった作品を展示室に運ぶ。展示して石原友明展の最後の部屋に加える(?)のだ。作品写真の撮影、展示、ライティング(照明)、キャプションをつけて、オープニングパーティまでやってしまった。展覧会ー見る場ーを完成させるためのプロセスを参加者に体験させた。

■展示するときの高さや位置については、この西宮市大谷記念美術館の篠雅廣学芸課長が指導。メジャーをもって位置を決め、ピンを打つ。ローリングタワーに上がって照明も実際にやってみる。

■実はこのワークショップは、1年前にほかの美術館でも行なっている。そのときは、展示するところまでの作業は含まれていなかった。美術館を訪れる人は、作品を鑑賞するためにやってくる。最近では、学校の美術教育のなかでも「鑑賞教育」をとりあげることが盛んになってきている。「みる」とはどういうことなのか?見せるためのプロセスの部分を知ることは、つくるためにも、見るためにも、次の行為やものを考えるときに参考になる。実際に体験してみることで、きっと今回の参加者も楽しい発見をたくさんしたに違いない。

石原友明
ワークショップ ーワタシタチノ肖像ー
1999年10月2、3日
西宮市大谷記念美術館
(西宮市中浜町4-38 tel.0798-33-0164)

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グループ全員の顔がまじりあう

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展示指導をする学芸課長の篠さん

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ライティングもたいせつ

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石原友明先生自ら作品写真撮影

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作品タイトルを記したキャプションボードもついて展覧会らしく完成した

1999-10-02 at 10:46 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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