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1999/08/31

岡山拓 Pop Gun-ボクらの銃はコロさない-展

「スカっとシュート」


art79_201標的


■エアガンを撃った経験がまったくなかったので、かなり驚いた。プラスティックの小さな弾で、パネルも撃ち抜くことができる。いっしょに試した知人は、アヒルの首を飛ばしてしまった。われわれは射撃場に行ったのではなく、ギャラリーに行ったのだ。…ということは、ここにあるのはアート。

■左から標的の人型、テディベア、ポータブル蓄音機のうえでくるくる回転する3羽の黄色いアヒルの子、犬、そして一番右に赤いりんご。順に撃ち進んでいく。ヘッドホーンをつけてリズムにのって、なりきってしまえば、りんごを撃っておしまい。これが、案外はまってしまう。可愛い玩具は陶土でつくられている。ギャラリーに来た鑑賞者たちが撃った弾で穴だらけのからだが痛々しい。はじめは、そんな惨いことはできない、と思ったがゲームにのめりこんでいく。

■女の子はぬいぐるみや人形、男の子は破壊的行為を疑似体験できるような銃や戦闘ロボットなどのおもちゃで、好んで年少期に遊ぶ。それは本人の嗜好でもある一方、親や周囲が期待する役割みたいなものを負わされている。子どもは、周囲の期待を裏切らない姿を、「らしく」演じねばならない。自分の「らしさ」を、ぶち抜くのは爽快だ。ということで、どうやら女子のほうが、この作品をより楽しんでいる節がある。

■岡山拓は大学で陶芸を学んだ。以前、彼がロボットを陶で作っていたのをみたことがある。頑丈な素材でつくられるべき、ロボットを壊れやすい土でつくる。今回は柔らかいぬいぐるみが、陶土でつくり固い表面もたせている。与えられた概念を、撃ち崩すことの妙。

■学校内での乱射事件などで、米国では銃の所持についてさまざまな論議のあるなか、ギリギリのところにある作品とも言える。だが、不必要な概念を粉砕するための、「人を殺さない銃」を所持する勇気は持っていいのではないだろうか。

岡山拓 Pop Gun-our guns never kill-展
1999年8月31日(火)~9月5日(日)
立体ギャラリー射手座(京都、tel.075-211-7526


art79_202


テストもある。質問は銃について、国際機関や各国の国家的情報機関について等。

art79_203


「エアガンはこのなかからお好きなものを選んでください。」

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しっかり構えて撃つ(作家本人)

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首がとんでしまったアヒル

1999-08-31 at 11:26 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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