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2007/06/16
裏・アートマップ2007
京都市内の画廊がそれぞれイチオシ作家の展覧会を仕掛けてくるKYOTO ART MAP 。開催当初(1998年〜)は毎年開かれていたが2002年からは、隔年で開かれるようになった。来年(2008年)が10周年でもある開催年。今年は開かれない。そんなわけで、間の年のイベントを、「プレ」ではなく、「裏・アートマップ」と呼び、12画廊から19名+3組のアーティストが出品。来年の本編がいまから楽しみになるような作品の数々が展示されている。
カセットプラントファクトリー「カセットプラント」2007
元小学校だった京都芸術センターは中庭(グランド)をコの字に囲むかたちで建物があり、正面玄関を入ると長い廊下がある。廊下の窓にぎっしりと透明なカセットテープケースがとりつけられている。山口啓介の個人の作品としてではなくカセットプラントファクトリーというコラボレーションユニットの名で出ている。それぞれのケースにはさまざまな花が入っている。会場手前の階段下には、点滅する光が見えて、アニメーション映像を用いた小谷真輔のインスタレーションが2点。
長い廊下の突きあたりが南ギャラリー。8つの画廊から10作家の12作品が並ぶ。3つのライトボックスにそれぞれ水墨画風の単色の図像があり、それらは油土で描かれていた。だれの作品かと思いきや宮永甲太郎だった。彼はこれまでも土を用いた作品を主につくってきたが、今度はこうきたか。ってことは来年は?などといろいろ想像する。壁を覆う大きな黒地の衣川泰典の平面作品は、中央に目をそらすようなしぐさの幼女がいて、その周囲にランダムにぎっしりさまざまな人物が描かれている。これは宮永の作品以上に以前わたしが観たものと著しく変化があった。
庭を隔てて北ギャラリーには、真ん中に古い型のフィアット車。なかはシダ科の植物に埋め尽くされている。ときどき聞こえてきた音はこの國府理の作品についていたものだろうか、わからないまま帰ってきたが、アートスペース虹から出品した國府、川口珠生、東郷幸夫の作品は箱庭的な世界観をみせてくれた。
そんなこんなでこんなに興味深い作品揃いだ と、来年までKYOTO ART MAPが待てない?!?!
(写真)國府理「Rainforest Car」 2007
裏・アートマップ2007
京都芸術センター
2007年6月5日(火)〜6月24日(日)
会期中無休
10:00〜20:00 無料
TEL 075-213-1000
京都市中京区室町蛸薬師下る山伏山町546-2
words:原久子
2007-06-16 at 11:29 午後 in 展覧会レポート | Permalink
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