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2007/04/19

in my room

Fukugan疲れて帰宅した夜に、温かいお茶でもみながらひとり静かに眺めて過ごしたいと思わせられるような5名のアーティストの作品が展示されていた。 ホワイトキューブという非日常的なイメージの空間で見ることが多い作品を、もっと気楽に、親近感が湧いてくるような雰囲気で楽しんでもらいたいとギャラリーの村田さん。会場には、壁面に花柄やストライプの布が貼られ、懐かしさを感じる古いステレオや家具も置かれている。

よく考えると、実際には日本の住宅で大きな柄や模様の壁紙の貼られた部屋を私はあまり見たことがないのだけれど、プライベートな空間の雰囲気がたっぷりと漂う居心地いい会場で、展示された作品のイメージもぐっと自分の日常生活に近付いてくる。 透明なシートの上に黒い点で描いたモチーフを、印画紙の上に重ねて焼き付けると、白と黒が反転して顕われるコンタクトプリントという手法で制作された三宅沙織さんの作品には、リスやヒツジといった動物のモチーフが描かれている。写真と版画をミックスしたような表現で、遠目には星座の表された天体図のようにも見えて面白い。深く澄んだ水の青い色にぺたりと張り付くような山脈が奇妙な遠近感を生み出している羽部ちひろさんのオイルペインティングは、狭い室内から遠い風景へと想像がめぐっていく。 展示作品は他に、栗田咲子さんのコラージュ、ゴンダナオヒロさんのドローイング、田中奈津子さんのペインティングなど。繊細な色や線の表現も、遊び心にあふれたタイトルやモチーフも、密かに隠れた物語へ想像を膨らませて見飽きないので、時間が経つのを忘れてしまう。実際、自分の生活空間に飾ってみたらどうだろうか、とイメージしやすいサイズが並んでいるのも楽しい。来週の土曜日まで開催されている。気軽に自分だけのお気に入りをみつけに足を運んでみてほしい。   

Fukugan羽部ちひろさんの作品

2007年4月10日(火)〜4月28日(土)
複眼ギャラリー
13:00~20:00 日、月休
TEL.06-6253-3266

words:酒井千穂              

2007-04-19 at 11:06 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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