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2007/04/16

三沢厚彦 ANIMALS+PLUS

Misawa05
キリンやゾウ、ワニ、ウサギなど動物をモチーフに木彫による立体作品を制作する三沢厚彦(
1961-)の、美術館初となる個展に行ってきました。


これまで三沢の作品に一堂に出合えるチャンスは、東京・西村画廊での個展を除いて他になかなかありませんでした。まとまった作品鑑賞の機会は昨年青森県弘前市、吉井酒造煉瓦倉庫で開催された『
A to Z』以来になります。

三沢のつくり出すアニマルたちはとても愛らしいのだけれど、焦点の定まらないつぶらな目と、極端に平らな頭頂部といった、作品に共通する特徴が独自の存在感を生み出しており、鑑賞者の視線を引きつけます。もちろん作品ひとつひとつをとっても面白いのですが、三沢はインスタレーションも魅力の作家です。空間全体(今回は展示室を飛び出した場所も)を利用して動物たちを配置する展示方法によって、鑑賞の層が増してゆく楽しさが体感できる展覧会でした。
 
またアッサンブラージュの手法を用いた初期作品から、転機になったという動物の頭部のみを彫りだした作品、動物モチーフ以外の不思議な木彫作品も並列されたアトリエの再現ブースなど、これまでの作家の制作過程をたどる好機ともなっています。

 
初夏のような気持ちの良い天候に恵まれた展覧会初日には、美術館入口で親子連れが開館前から並ばれていたようです。
会期中美術館でも購入可能な、三沢のドローイング集ともいえる絵本『動物たち』のページを捲るわくわく感と、会場内にかくれんぼした動物たちを発見したときのうれしい気持ちは、大人も子どもも共通です。美術館を出たらその足で、「4月の遊覧予定」でピックアップされていた、ライター水田さんもおでかけ予定の野見山動物園は少し距離がありますが、スケッチブックと絵具を持って動物園へ行くのもいいかもしれません。

2007414() 527()
平塚市美術館
9
:3017:00
月曜休(4月30日は開館)
料金 一般700円、大高生500円
(高校生は第2・第4土曜無料)

TEL.0463-35-2111 

ちなみに平塚市美術館の後は北海道立旭川美術館、高崎市美術館、伊丹市立美術館、ふくやま美術館への巡回が予定されています。詳細はこちらをご参照ください。 

words:高橋実和

2007-04-16 at 01:04 午前 in 展覧会レポート | Permalink

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