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2007/01/13

第13回コレクターへのすすめ ミニ屏風

選ぶ動機と飾る基準

243_02_1 小さな屏風が会場にたくさん。毎年、「コレクターへのすすめ」と題して手軽に購入できる小品を集めた展示を行ってきたOギャラリー。さまざまなジャンルの作家総勢39人による46点の作品が、「ミニ屏風」というスタイルで統一されている。これらの屏風は、サイズこそ違え、実際の屏風と同様に仕上げられているものだという。画面の間(ま)を意識した作品、全面を色面で覆ってしまった作品、コラージュのように描いた紙片を貼り込んだ作品もある。普段とは異なる支持体に作家たちがぶつけ本番に描いた作品は、少なからず緊張感が伝わり、どこかしら冒険心を感じさせるものもあった。

 ところで、開いて立つという屏風ならではの置き方は、壁面に掛けられる平面より飾る場所を選びそうだ。しかしモチーフによっては、洋室のフローリングに置いても合いそうな気もした。ふと思ったのは、作品を選ぶ基準として、インテリアに合わせて選ぶ、という選択肢が浮上したことだ。自分の家を思い浮かべてみる。和室はなく、フローリングとカーペットの部屋しかない。全体に中間色の部屋。壁には絵と写真が何点か飾ってある。以前は作品を買う際、大きさは気にしてきたが、他のインテリアに合うかどうかはあまり考えなかった。とにかく欲しいという衝動を優先した。結果、飾り続けている作品と、一度も飾ったことのない作品に分かれた。未だに飾れない作品に共通するのは、室内にしっくりはまらないことなのである。
 同展は、そんなことを考えさせてくれる展示だった。ずらりと並んだミニ屏風のうち、気になる作品は何点かあった。直感的に欲しい作品とインテリアに合いそうな作品。このふたつが合致すればいいのになと思う。世の中には、作品を持っているだけでいい、というコレクターも、作品に囲まれて過ごしたいという人も、私のようにインテリアと調和することを好む人もいるだろう。「コレクターへのすすめ」というタイトルを受け、所有に関する私的な想いゆえ、ご容赦を。

242_02_2_2石川由美子作品(左)垣見久子作品(右)

第13回コレクターへのすすめ ミニ屏風
Oギャラリー
2007年1月8日(金)〜1月14日(日)
無休
11:00〜20:00 最終日〜15:00
入場無料
03-3574-0450
東京都中央区銀座8-11-13 山田ビル2F

words:斉藤博美

2007-01-13 at 05:19 午後 in 展覧会レポート | Permalink

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